人間関係って、すごくムズい。お願い、誰か助けて！

第２５話 女子２人の詰め寄り

　修羅場から塾に行くという嘘をついて逃げ出した風馬。でも、そこで

追いつかれてしまえば、逃げた意味はなくなる。風馬は、絶望した。初めての恋。

恋について知らない風馬は、２人に恋をした。それで２人ともにフラれる。

終わった―—―

　２人に追いつかれた風馬。

「ど、どど、どーしたの？」

「どうしたじゃないだろ！！」

「ちょっと聞いたわよ！本当なの？！」

２人のとんでもなく怖い顔が風馬へ迫る。

「な、何が？」

「決まってるでしょ？！」

「『こいつに浮気してるってこと！！』」

同時に、相手を指さして叫ばれる。

「さあ、どういうこと？！」

「白状しなさい！！」

「そ、それはだね・・・」

「私、この前『他に好きな人いないよね』って聞いたよね？！そしたら、

『いないよ』って答えたでしょ？！でも、いたじゃない！！裏切り者め！」

そういって、どこから出てきたのか、僕のシューズを顔面に投げつけられた。

「私だって。この前聞いたの。そしたら、『いるよ』って言ったじゃん！それって私

じゃなかったのぉ？！」

「・・・・・・・・・」

「早く答えろぉ～！」

「す、すすすすすすすすすす、なんか、す、すみみ、ませ、んんん・・・・・」

怖い。怖い。怖すぎる。怖すぎる。怖すぎるだろ・・・。恐怖が、恐怖が・・・。

「ふぅ～ん。そ～なんだ。私よりも紗彩が好きなのね？！」

「いいいいいいいい、いや・・・・・そういうわけではないけど・・・」

「それなら、私よりも、優奈が好きだってことなのねぇ？！」

「あああああ、ああ、あのの、そういうわけでもございませ・・・」

「それならどういうことなのよ？！どっちも嫌いってことなの？！」

「ああああ、そういうわけでもない・・・・・」

「それならどういうことなの？！ねえ！！普通ってこと？！」

「そういうわけでもない！！！！！！！！」

風馬のいきなりの強気な発言に２人は、ちょっとビビッて後ろに下がる。

「あ、もうすぐ海賊軍団会議だ・・・」

「その前に、この話を済ませてからいけぇ！！」

「海賊軍団・・・？」

紗彩は、何かを考えこむ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ねえ、どうなの？！しっかりとした回答を要求！」

「お～い、風馬、もうすぐ始まるぞ！急げ！って、どうしたんだ？！」

会議になかなか来ないので、源太郎が迎えに来た。同時に、引いた。

この重苦しく、恐ろしい雰囲気。そして、明かりをともすことができるくらいの眼光

で目力で、火事場の馬鹿力が爆発しそうなくらいの２人のにらみ。

「ちょちょちょ、ちょっとこれ・・・なに・・・」

ヤンキーも逃げていくこの恐ろしさ。

「そろそろ会議に行くね」

「ちょっと待てぇ～。この話を済ませろ！！」

女子とは思えない口調。

「私も、答えだけをしっかり聞きたい」

紗彩は、少し落ち着いたようだ。

「僕は・・・両方とも、大好きだよ！！！！！」

風馬は、こう言い放って、古さびた旧校舎へ、駆けていった。