第24話 恋の修羅場

 風馬は、今日は紗彩と一緒に帰る。またたくさんの話ができる。

「紗彩ちゃんって、好きな人いる?」

「え、いや、別に・・・いないけど・・・」

ほほう、これは、少し別の回答だ。同時に、少し顔を赤に染めて、視線を逸らす。

「それならそれなら、ふ、風馬君は・・・好きな人いるの・・・?」

「うん、いるよ。でも、誰かかは、言わな~い」

「え、そうなの・・・。ま、いっか」

どうやら、紗彩も優奈と同じように、好きな人は自分だと思っているらしい。


 次の日——、朝の登校。今日は、優奈との登校だ。

「ねえねえ、風馬君、まさかとは思うけど、私以外に好きな人いないよね?」

急に真剣な顔で、風馬に迫る。

「私は、風馬君意外に好きな人いないよ!風馬君は?」

「えっとね、それはね」

「え、まさか、私以外にいるの?いたら、私泣いちゃ~う!」

「と、当然だよ!いないよ!ね!ここで泣かれたら困るし!」

「本当だよね?嘘ついてないよね??」

またまた鋭い面で風馬に迫る。

「嘘はついてないよ・・・」

「だよね?キャハハハ!良かった!それなら安心だよ!」

「う、う、う、う、ううううう、ううん・・・うん・・・そだね~」

あいまいな気持ちなまま、会話は、終わる。風馬は、一旦、優奈から離れて、近く

を歩いていた、幸樹の方へ。そのまま、相撲部を作ることについての話になった。

そのまま、クラスまで。朝の登校の半分以下しか、優奈としゃべっていなかった。


 教室で。直樹、源太郎と話していた。実は(自分も知らなかったが)、源太郎は、

僕と一緒の3組だったらしい。いつも、他のクラスに遊びに行って(特に、松之助の

いる、4組に行く)自分でも気づかなかったのだ。まあ、1学期の初めの日にも、

遊びに行ったたらしいから、知らなくても、無理はない。

「そんじゃ、風馬、またな!」

「またな~!」

「ねえ、風馬君。2人とも帰っちゃったから、2人ではなそっ!」

「ええ?ああ、いいよん!」

それから、優奈とあれこれ話していた。するとすると―—―

ガラガラガラ 教室の扉が開き、入ってきたのは――紗彩!これは、大変まずい。

優奈は、自分が紗彩も好きだということを知らない。これは、優奈と紗彩から

すれば、彼氏の浮気だ。

「あれ、優奈。風馬君と何をこんなに話してたの?」

「え?普通の恋バナ~!紗彩もやる?」

「いいよ!」

というわけで、紗彩も入ってのトークの始まり。この状況は、絶体絶命だ。もし浮気

がバレたら・・・。両方からフラれること間違いなしだ。

「今日は、塾だから、もう帰るわ。それじゃあな!また明日!」

「『また明日ね~』」

下手な嘘をついて、教室から逃げ出した。数十分後・・・。校庭にいた風馬に、

2人の女子が迫っていた。当然優奈と紗彩だ。予想が当たっていた―—?

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