第16話 説教タイム

 真相は、どうだったのだろう。和希の真相——。

「和希の家出ってどういうことだ?」

「さぁ?」

「山内が家出した?やりそうにねぇけど」

「どうだろね」

和希がいなくなってからこれで1時間。

「それで、どうだったのよ!」

「・・・」

「あんたは何してたのっ!!」

「うわっ、マジでこえぇ」

「結構遠くで説教してるのにな」

「家でもこうだったら、近所迷惑の訴えが来るかも」

「アハハハハハハハ」

「早く白状せい!!和希ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」

「ちょっぴり関西べ~ん」

「そうそう、和希の母さんって、京都出身らしいよ。なんでか知らないけど、関西弁

を隠したいんだって」

「まあ、でもこんなに聞こえるんだったら絶対に隠せないだろうけど」

「まあな。ハハハハハ」

「なんですって~!!!!!!!!!!!!!!」

「うわっ!ビックリした~」

「なんださっきの」

「お前ってやつは~。今後は絶対にしないこと!!分かりましたね!!」

ドクドクドクドク いまだにビックリしていて、心臓の音が止まらない。

「なに?何さっきの。何があったの?ね、ちょっとマジでわかんないんだけど」

「はい、はい。さっきのは和希を叱るおばさんの声だよ・・・」

「うっわ。怖すぎでしょそれ」

「ところで何があったんだろうね」

「重要機密がバレた?」

「山でキャンプをしようと思って行ってみたら遭難した。なんて面白いかも」

「山内ならありえる?ありえない?どうだろ~」

「ワハハハハハハハハハハハハハ」

「笑いすぎだろ、ちょっと。なんでそんなに笑っているんだ?」

「だって、和希の話で盛り上がってて」

「ほら、山にキャンプに行って遭難したとか面白すぎでしょ!」

「それはそうだな!ハハハハハハハハハハ」

途中参加の宏太までもが大笑い。でも、実際は笑える状況じゃなかったらしい。


 学園の朝の会。教師の、佐野響から、暗い知らせが耳に飛び込んできた。

「3年の2組の山内和希さんが、今警察などの指導を受けているようです」

は?どういうこと?警察の指導?

「これ以上は、あなたたちには言いません。これ以上言ったら学園中が大騒ぎに

なって君たち授業に集中できないでしょ?なので、終わりです」

佐野先生は、こんなところが冷たい。そして、嫌いだ。この人は、僕ら海賊軍団と

敵対する教師の1人だ。校長や教頭、理事長との話し合いでも、発言権があるため

特に警戒する教師だ。

「それじゃあ、授業始めるぞ!はい教科書開いて!ほら、風馬!ちゃんと授業に

集中しろ!もうすぐ中間テストやるぞ?だからちゃんと勉強しないと、また

低い点とるぞ?だから、ちゃんと勉強しないといけないじゃないか!」

そして、放課後、信じられない事実が明らかになった。

「風馬、山内って、なんのために家出したと思う?それはな―—―」

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