第14話 和希の騙し(2)

 なぜ、失踪したとか言ってた和希がいるんだ?今日、体育祭のため、

3年の合同練習があった。だが、そこに和希はいなかった。

「おい!直樹!大輔!」

気づけばあだ名を完全に忘れているがそんなことは関係ない。

「なんだよ?あだ名呼び忘れちゃって!」

「いや、みんな忘れてるだろ?それよりも、ちょっと来てくれ!」

3人は戦場から離れて、和希が駆けた方へ、走り出した。

「なあ、何があったんだ?怪物退治セットが無くなったんだけど」

なぜか、笑い話ばかり言うようになったこのメンバー。これもヤンキーの特徴

なのか?いや、まずそんなこと言ってる場合かよ!風馬は自分のほっぺをつねる。

「さっき、フライパンをもった和希がいたんだ!」

「『ええっ?!』」

直樹と大輔は同時に叫んだ。

「嘘!そんなはずないでしょ?失踪したって言ってたじゃん?見間違えじゃ?」

「いや、はっきりと見た。和希がフライパンで相手をたたいていたのを」

「うっわ~、マジか!あいつ嘘ついてたのか?まあ、元々あいつ嘘つきだし、

何かのデマを流したのかもな」

大輔も、直樹も。当然風馬も知っている。この前身を持って体験した。和希の嘘つき

を。ちっ、あのやろー!キィ~、ムカつくぅぅぅぅぅ!!どんどん駆けると和希の

影が一瞬見えた。

「あっちだ!」

そして、ついに追いついた!

「へへん!俺は賢いし、足も速いし、力も強いから心配ない!」

と、言ってながら、簡単に抑えられた。

「え、僕らの仲間になりたい?喜んで!」

「は、こいつ何言ってんの?」

「わっ!急に滝澤先輩が目の前に!」

「滝澤潤は、お前の前にはいないぜ?」

そして、取り押さえた。

「ああああああああ!俺と風馬はやっと仲直りしたと思った?そんなはずない

でしょ?何言ってんのぉぉぉ?」

「何言ってんだこいつ」

「とにかく、色んなことでの、犯人の1人だから、連れてったらどうかな?」

「宏太リーダー、いや、生徒会長に、罰してもらわないとな」

「よし、行くぞ!」

「武田のもとへ行くのか?もしかして、武田が降伏するのか?ヒャッホ~!」

 そして、スタスタと宏太の元へ。

「よう!武田!降伏してくれるっていうんで嬉しいぜ!」

「おい、お前、何しに来た?」

「僕らが、連れてきたんですよ。色々なことを引き起こした犯人何で」

「ああ、そういうことか。でかした!直樹、風馬、大輔!」

「そういえば、失踪したっていうのは何だったんだ?」

「失踪なんか言われたのか?母さんもなかなかだな・・・」

「なんなんだ?こいつ」


 そして、3人は、和希の家へ向かった。

ピーンポーン インターホンを鳴らすと・・・。

「ああ、みんなね。今忙しいから」

「ちょっと待ってください」

「どういうことですか??」

「なんで、校庭に来てたんですか?」

「校庭に?そんなはずは―—―」

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