第2話 ヤンキー生活の始まり
この海賊軍団は、全部で10人の部員がいる。リーダーの宏太と、副リーダーの
松岡大悟。部員の中岡真一と、田端亮、橋立介司、荻野南斗、吉田
田中源太郎。そして、海賊軍団1の問題児、藤原頼久だ。
「なんか、松之助ってダサい名前だな」
ひそひそと直樹が話してきた。おいおい、なんか嫌な予感がするんだけど?
「おい、上橋。聞こえたぞ。松之助は、父さんが松のように伸びてくれる人に
なりますようにという願いを込めてつけてくれたんだ。それをバカにするとは」
「ごめんなさい!もう言いません!もう言いませんすみませんほんとに」
直樹がやっちゃったな。僕も気をつけないとヤバいな。
「次は、グループLINEに秘密で登録しろ」
「って、言われても、スマホないし」
「それなら家に早く取りに行け!毎回スマホは持って来いよ?」
大悟に怒鳴られて、大慌てで、旧校舎を飛び出した。後から知ったが、ここは、
「旧校舎」ではなく、「海賊の秘密基地」と呼ぶ決まりがあるらしい。何かと
名前にこだわってるんだな。正直ダサってなるけど。意外に。
そして、急いで戻ってきた。スマホをちゃんと持って。それでまずは、ふるふるで
友達登録。正直友達登録したくないメンバーが多数。そして、グループに登録
された。なんか嫌な感じ。普通の暴力集団のヤンキーは、当然いやだけど、あまりに
ヤンキーっぽくない行動が多い。まあ、学校のさぼり集団だから、仕方ないっか。
「おい、君たちは何をしているんだい?校則違反になりそうだけど。さあ、授業に
戻りな!」
この学園の生徒会長、平塚快がこの旧校舎、いや、海賊の秘密基地に乗り込んで
きた!まずい!先生にチクられたら僕も直樹も、このメンバーもみんな
おしまいだ!どうしよう!宏太リ~ダ~!
ゴキゴキゴキゴキ・・・ え、何だこの音は?そう思って後ろを振り返ると、
倒れている快がいた――!なんで倒れてんの?いったい何があったの?
「余計なやつが来てくれたよ。まあ、すぐに倒したからいっか」
「これどこに置いとく?裏庭にでも置いとけば大丈夫かな?」
「ああ、そうだな。記憶喪失になってるだろ」
ああ、やっぱりそうなんだ。普通の暴力集団だ。どうしよどうしよどうしよ。なんで
僕は、こんな集団に入っちゃったんだ?これなら、学校の授業の方がましかな?
隣にいる直樹は、すでに泣きそうになっている。目の前で起きた残酷な光景に
涙腺崩壊だった。もちろん悪い意味で。ああ、これから大変なことが起きそう…。
そのころ、同じ中学3年生の同級生、山内和希がとある写真を見ていた。
和希は、風馬のもう1人の親友だ。こちらは、小学生のころからの親友で直樹に
比べると出会いが遅いが、それでも、大親友になったのだ。今、何かの写真を
見ている。そこには、スマホをもって旧校舎へ向かう、風馬と直樹が写っていた。
「風馬、君にはがっかりしたよ。そんな、まさか・・・?」
和希はつぶやくのだった。
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