第15話 エピローグ 三六五日後

 それぞれの仲間たちはどうなったのだろうか。

 センリとショウとシロシは、変わらずお城の城主と王妃の子供となって、何不自由なく生活していた。三人はそこの心地良さの虜になっていた。いつでも出られる城から出る事を考える事なく、その麻薬のような快適な城の生活を捨てる気はなかった。


 ルウスの亡骸が入った黒石は、新しい候補者が出来たという理由で、櫓の上の安置所から場所を移され、壁面の共同墓地のような収納庫に入れられた。小型の安置所に蓋が取り付けられ、ルウスは存在を消されたのであった。

 そしてルウスのいた櫓の上の安置所には、呼吸があり眠っている新しい候補者が寝かし付けられた。彼は右手首から先がなく、その代わり網状の掌と真鍮板なの指先が着けられていた。


 ユラはPICUを出る事が出来たが、診断名がなかなか定まらず治療を進めていく事が出来ないでいた。医院の個室ベッドの上で、横になったまま、絶えず人を警戒しながら精神を摩耗させ、横たわったまま、無益な日々を送っていた。


 エイジは持ち前の責任感で学ランの百人部隊の隊長に抜擢され、区画地域の治安を誇らしげに守っていた。

 休暇はないが宿舎のテレビに映る、逃走者を見ながら、どこで命を伸ばすかあるいは絶たれるかを毎日見ながら、興奮して楽しみ、白ワインを一本空けてうとうと寝付くのが日課だった。

 彼には今、第九地域の逃走者を特に監視する命令が課せられていた。そう地下施設から直ぐに繋がる地域である。

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区画地域 幾木装関 @decoengine

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