第11話 銀の空間

 センリもそこそこ大きめの肉体なため、先頭はショウ、次にセンリ、最後に新たな仲間のシロシが続いて、銀の通路を奥へと進んで行った。

 中を奥へと進むごとに、道の幅が徐々に広がり、その幅十メートル程まで広がった。その中央に銀色に輝く金属階段を見つけた。上がる方向と下る方向に分かれた。

「奥へと進むには階段を登ること。下れば地下施設だ。選択肢はないか」とシロシが言うと、センリとショウは大きく頷いた。

 階段幅は二メートル強で、三人が何とか通る広さはあった。

 無理せず階段に向かうと、三人は登り階段を選んで登って行った。

 段板を踏むとその表面の銀の粉が一度舞い、下へと落ちて行き、それを繰り返しながら、登って行った。登れば登るほど舞う銀の粉は次第に通路に堆積していった。

 上を見ると銀の階段は、未だ未だ続いていた。

「また塔を登るなのか、城っていうのは。銀の城を目指すのか?」とセンリが黒の塔、黒の城を思い出して言った。  


 銀の階段を果てしなく登り、センリやシロシは身体中、銀の粉まみれになっていた。

 どれだけ登ったのか、上部を見上げると階段の終わりが見え、どうやら外部に出るようだった。

 三人は階段を上がり切ると辺りを見回した。

 まるで飛行場に降り立ったかのような風景で、地面は硬いアスファルトで舗装され、所々から雑草が生えていた。

 離発着する航空機はあるが、離陸して遠くへ向かう機体もあれば、上空にある巨大な円形の物体に機体を上下させながら、移動する飛行体もあった。

 飛行機、飛行体は全体を数えてみても、数は十数機といったところだった。


 飛行体の一つから一人の人間らしきが歩いて向かって来た。

 飛行服を来たそのものは、三人の前までやってくると、ヘルメットを外した。女だった。

「飛行体は小型に出来てるので、操縦士は女にまかされているの。あと二機、飛行体がやって来るわ」

 なんて清々しい女性なんだろうと、三人は見惚れてしまっていた。

 残り二機の飛行体が着陸すると、二人の操縦士が降りてこちらに向かって来た。ヘルメットを外して深々と挨拶すると、髪がなびき、三人の男はうっとりした。

 それぞれは飛行体に案内され、ヘルメットを渡された。それをかぶると飛行体の中に乗り込んだ。

 暫くすると、機体は垂直に上昇し始めた。

 明らかに上空の巨大な円盤を目指していた。水平と垂直方向の動きを繰り返しながら、円盤へとますます近付いて行った。

 そして近接する三つの開口部の中に、飛行体は吸い込まれていった。

 中に入り込むと三つの開口部は塞がっていった。

 見えなくなった飛行体は円盤内で更に上昇していた。

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