第7話

街には僕の欲しかった思い出や感情を見つけることはできなかった。

僕は死んだ人の死ぬ間際の感情を知りたかった。

長い間その人を苦しめ続けた者の正体を思い出と共に味わいたかった。

最高の擬似体験だと思う。

何度だって僕は死ねるはずだった。

そのはずが、この街にはそれがないなんて。


僕は街を離れて小屋にこもっている。

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