第8話 

小屋には作りかけのガラス細工や、表紙が擦れてタイトルが読めない古本、傷んだピアノがある。

僕は本来の役割をこなせなくなったものしか愛せなくなっていた。


身近にあるモノやヒトは全て自分を写す鏡だ。僕は人間の本来の役割が何なのか分からないままで、壊れたオルゴールを回そうとしていた。


彼や彼女がこの世界のどこかで生きていても、死んでいても、周囲の人との時間が高く積み重なっていれば満足だ。


昔あった額縁が僕には眩しく思えていた。

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