罪を。

薄汚れたスーツに、手には有名なブランドの腕時計、かなり汚れている。

「すみません。すぐに出ます。」

「待ってくれ...!君今、橘花...って呟いていたが...」

なぜこの老人は...彼女のことを...?


「...あなたは?誰なんですか。どうしてあなたこそ、橘花さんの名前を知っているのですか?」


「本当にすまなかった!!!この愚かな私を...私を許してくれ...」

そういうと、突然老人は埃まみれの床に座り込み、むせび泣いた。

「なんであなたが謝るんですか...。立ってください。ほら、」

座り込む老人に手を差し伸べる。老人は、全く手を取ろうとはしない。

「私は...父だ...奏の...。まあ、実の父では無いのだがね...私のせいで、奏は、妻は、この家を出ていった...」


その時、彼女の言葉が頭によぎった。

「この家、再婚相手の家なの。」

「私には広すぎるの」

「浩一さんも全部嫌い!!」


まさかこの人が...

「浩一...さんですか...」


「ああ...話を...させてくれ...」

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