誕生日に顎が外れた話(実話)

鈴木しぐれ

誕生日に顎が外れた話

 誕生日、顎が外れました。比喩表現ではなく、物理的に。

 もうめちゃくちゃびっくりしたし、まあ痛かった。せっかくだし、自戒としてレポにまとめてみることにしたので、少しだけお付き合いください。長時間同じ体勢で日々を過ごしている方は、ぜひ読んでください。ご自愛ください。


 この日は私の誕生日。前日と前々日に、友人や家族とご飯を食べ、スイーツを食べ、プレゼントをもらい、たくさん祝ってもらい、ご機嫌で当日を迎えた。当日は大好きな舞台のブルーレイを見てのんびりしようと心に決めていた。

 人をダメにするクッションをセットして、飲み物を用意し、ブルーレイを再生した。3分後、軽くあくびをしただけだった。なのに、口が閉じなくなった。閉じようとすると、右顎が痛い。何度か閉じようと試みるもめちゃくちゃ痛い。無理。はじめは喋れず、家にいた母にスマホのメモ機能で、口が閉じなくなったと伝える。代わりに整骨院に電話をしてもらった。これ、家に一人だったら、詰んでいたかもしれん……。少しして、滑舌甘々で話せるように。


 ここで、私の顎の前提条件(?)をご説明しようかと思います。

 数年前から、口を開けるときにカクカクと音がなる、顎関節症と言われていた。痛みがなければ問題ないということで、観察状態。しかし、1週間ほど前にあくびをした時に顎に痛みがあり、かかりつけの歯科医に相談しようと予約を取っていた。


 電話で連絡した整骨院へ行き、「よほしくおねないしまう」と挨拶をしてベッドに横たわった。先生が両顎を手で包むように持ち、グッと下に押した。めちゃくちゃ痛かった。痛すぎて、泣きながら耐えた。痛くて泣いたのなんて何年ぶりだろう。十二年くらい?あまりにも顎が入らなくて、一度顔の周りや首肩をほぐしてもらった。そして再挑戦。何度目かで、「ガクンゴキン」みたいな音が顎からした。けっこうな音がしてビビった……。ようやく口が閉じられるようになった。顎がひりひりした。外れたのが初めてだったのと、顎周辺の筋肉が硬かったから、なかなか入らなかったそうで。

 帰宅。顎は青あざが出来たみたいな感じで、触るととても痛い状態。顎を保冷剤で冷やしながら、舞台のブルーレイの再生を再開した。推し舞台は何度見ても面白かった。



 後日、予約していた歯医者に行ったが、治療中にまた外れた……。悲しい。再び整骨院で、戻してもらった。泣くほどは痛くなかったが、でもやっぱり痛かった。歯医者での治療は一時中断し、しばらくは整骨院でマッサージを受けて、ほぐすことになった。顎を支える側頭筋や、首、肩などが凝り固まっていると、顎に負担が掛かってしまうらしい。


 私の日常として原稿作業で1日8時間はパソコンに向かっていた。長い時は10時間。一応、ラジオ体操を出来るだけ毎日していた。ストレッチやヨガもしなければと思いつつも、あまりしていなかった。原稿の空き時間には、趣味のハンドメイド、つまみ細工をしていた。ちなみに、この二つの作業の時の体勢はほぼ変わらない。

 それから、顎関節症の要因の一つとも言われる、頬杖をつく癖、うつぶせ寝でスマホいじったり、考え事をする時は歯を食いしばる癖、猫背気味、など要素はまあ盛りだくさんな状態でした。

 

 つまりは顎にめちゃくちゃ負担を掛け続けていて、それがこの誕生日に放出したようです。気合いで何とかなっていた10代や学生の時期は過ぎたんだなあ、と実感し、マッサージなどなどケアをしていかなければ、と思った次第。


 ちなみに、固いものを食べるよりも、大きく口を開ける方がキツい。毎年楽しみにしてた月見バーガーが食べられそうになくて悲しい……。

(追記:食べられました!!!美味しかった!!)


 毎日同じ体勢で作業をする方、首や肩が凝っている方、どうかご自愛ください。もしかすると、顎に来るかもしれません。はい。

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