第53話 親密な友人
「あー、実は話があるんだけど・・・」
梅澤がそう言った。
俺と橘は花火の後始末の手を止め、
2人で次の言葉を待っていた。
「あんたから言いなさいよ」
「いや、お前から言えって」
蓮と梅澤が2人でもじもじしている。
「ちょっと!もったいぶらないではやく言ってよ!」
たまらず橘が催促する。
「わかった俺が言うから。・・・実はな」
蓮が口を開く。
「俺と梅澤、付き合うことになったんだ」
やっぱりそうか。
「隠しててごめん・・・」
梅澤が申し訳なさそうに謝る。
俺と橘で顔を見合わせる。
「なんだそんなことか」
橘が向き直って花火の後始末を再開する。
「ちょっと京子、そんなことって!結構な重大発表だよ!?」
「あー、蓮と里奈、なんとなく付き合ってるなって察してたから」
「うん。俺も」
橘と俺はとっくに気づいていた。
「え!なんで知ってんの!?」
梅澤が驚いている。
いや、バレバレだわ。
「里奈、わかるって。あんなに仲よかったら」
「マジか・・・」
でもお似合いのカップルだな。
「え、いつから好きだったの?どっちから告白したの?」
橘が2人を質問責めにしている。
「それはえっと、里奈からだろ?」
蓮、里奈って呼んでるんだ!
普段の呼び方が出てるぞ!
「違う!蓮からでしょ!?」
ああ、なんかいいな。
親みたいな気持ち人なってしまう。
「じゃあ今度ダブルデートしよ!」
「だね!」
橘と梅澤が手を合わせて喜んでる。
「これからもよろしくな」
蓮が俺に向かって言う。
「まあ、俺が里奈と付き合ったからって何も変わらないから」
「うん、知ってる」
2人が付き合っても関係は変わらない。
それが聞けてよかった。
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