第49話 Bランク冒険者へ
ダンジョンを出た後俺はそのままギルドに向かった。
「こんにちはダグラス君。今日は午後からなんだね。」
「はい。午前はダンジョンの下見に行ってました。」
「そうなんだね。もうすぐBランク昇格試験があるからかな?」
「…そうなんですか?」
「うん。あと7回で受けられるようになるわ。」
「そうなんですね。」
「ところで、ダグラス君は討伐大会の話聞いた?」
「まだです。」
「じゃあ説明するわね。討伐大会は毎年ある大会で、1週間後に開かれるの。
魔物の討伐で争って、入賞者には豪華報酬があるから世界各地から猛者が集まるらしいわ。」
「なるほど…参加してみます!」
「頑張ってね!」
「はい。ありがとうございます!」
とりあえずBランク昇格試験を受けたいのでサンドクラブとナイフフィッシュを倒しまくった。
結果、サンドクラブ×61体、ナイフフィッシュ×57体を討伐した。
”硬質化”と”鋭利化”スキルは両方Cランクになり、”魔石吸収”でHP等が11810上がった。
クエスト報告をしにギルドへ向かった。
「おかえりダグラス君。奥の部屋に来て。」
「はい。」
俺はクエスト達成報酬と素材売却金で合計金貨59枚と銀貨1枚をもらった。
「これでBランク昇格試験受けられるようになったけど受ける?」
「はい。お願いします。」
「分かったわ。詳しい日程は今はわからないから明日またギルドに来てね。」
「分かりました。」
「今回は王都じゃないからヘンリーは来ないよな。すると、誰が監督者になるんだろう…」
”水中呼吸”と”水中行動”はスキルを使っていることがばれないよう、それらの魔道具に見える物に”偽装”スキルをかけて本物に見えるようにした。
話しにくい人だったら嫌だなどと考えながら俺は眠りについた。
翌日、朝食を終えてギルドに向かった。
「おはようダグラス君。ギルマスの部屋についてきてもらえるかな?」
「…?はい。」
呼び出される心当たりがない。
「まさかギルマスが担当に…!?いやまさかな。ギルマスそもそも忙しいだろうし。」
少し嫌な予感がする。
「テレサです。ダグラス君を連れてきました。」
「入ってー。」
「失礼します。」
バーバラさんはソファに座っていた。
「ダグラス君の昇格試験のことなんだけどー、担当にできる子が見当たらなかったから私が見るわー。」
…嫌な予感が当たった。
本当にそのまさかが起きてしまった。
「バーバラさんは忙しくないんですか?」
「うーん…討伐大会に向けて色々あるけど対策チームを設立したから平気よー。」
バーバラさんはおっとり系だが仕事ができるようだ。
「じゃあお願いします。」
「私に任せなさーい!!」
「それで、日程はどうしますか?」
「今から行きましょー。」
「えっ…今からですか!?」
「ダメかしら?」
「いえ、大丈夫です。行きましょう!」
試験内容は海底ダンジョン5層のボス討伐だった。
4層以降は初見なので心配だ。
早速ダンジョンに着き、ばれないように全バフをかけた。
また、ギルドには片手剣で登録しているので今日は片手剣を装備した。
戦闘回数が少ないとバーバラさんに不思議に思われそうなので”威圧”スキルは使わないで進み、4層への下り会階段までたどり着いた。
「ここまで順調ねー!」
「ちょうど昨日来たので。ただ、4層からは情報しか知らないので少し遅くなりますがいいですか?」
「自分のペースでいいわよー!」
「ありがとうございます。」
4層に下ると、そこは海中だった。
事前に入手した情報だとこの層はハンマーシャークCというハンマーのような頭で攻撃してくる魔物の住処らしい。
サンゴ礁が入り組んでいるため視界が悪い。
そのため、俺は”気配察知”スキルを常時発動して進んだ。
少し進んでいるとハンマーシャーク2体と遭遇し、戦闘になったが相手の攻撃手段を知っているので片手剣スキルで瞬殺だった。
ハンマーシャークを倒しながら順調に進んでいくと、5層への下り階段を見つけた。
『すぐに見つかって良かった…』
5層は1~4層の魔物しか居なかった。
少し時間がかかったがついにボス部屋の前に着いた。
「休まなくて大丈夫かしら?」
「はい。特に疲れてないので。このままボス戦始めます。」
「分かったわー。私のことは気にせず戦ってね。」
「はい。」
ボス部屋に入ると、情報通りそこには大きなヒトデを中心としてナイフフィッシュとハンマーシャークがいた。
大きいヒトデはデビルスターというBランク魔物で、体表はサンドクラブより硬く、魔法攻撃をしてくるらしい。
俺は周りのCランク魔物たちを間引きながらデビルスターに近づいた。
すると、水属性魔法B”ウォータージャベリン”を行使してきた。
俺はそれを避けたり短剣スキルで相殺したりしながらどんどん近づいていった。
そして、片手剣スキルA”デッドリーブレイク”を食らわせた。
バフのおかげかすんなりと刃が入り、デビルスターは細切れになった。
ドロップは魔石Bと星の砂だった。
星の砂を”鑑定”してみると、”錬金”に使える素材のようだ。
「おめでとー!ダグラス君合格よー。」
「ありがとうございます。」
その後ボス部屋の先にある休憩所の転移ゲートを開き、無事帰還した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます