第50話 散策
「これで昇格試験は終了よー!試験結果は…合格!!今日からBランク冒険者ねー!」
「ありがとうございました!」
俺はカウンターへ行き、テレサさんからBランク冒険者の説明を受けた。
まとめると、
1.Dランク冒険者以下の昇格試験を担当できる
2.パーティーでしか受注できないクエストが発生する
3.Aランクに上がるにはクエストを290回、パーティークエストを10回達成する必要がある
といった感じだ。
「2と3は特例ありませんか…?」
「うーん…ギルマスに聞いてみるけど多分3は無理よ。」
「ですよね…」
「この後はクエスト受けるわよね?」
「…?はい。」
「じゃあクエスト報告で戻ってくるまでにギルマスに相談しておくわ。」
「…っ!!ありがとうございます!!」
それから俺は”サンドクラブ討伐”と”ナイフフィッシュ討伐”を受注した。
『そういえば海底ダンジョン4層で戦ったハンマーシャークはまだフィールドで戦ったことないな。今度生息地まで行くか。』
ハンマーシャークはナイフフィッシュと異なり海の深くの方に生息しているため、クエスト同時進行は少し難しいかもしれない。
その後午後だけでサンドクラブ×46、ナイフフィッシュ×51を討伐し、ギルドに戻った。
「おかえりダグラス君。ギルマスの部屋についてきて。」
「はい。」
「テレサです。ダグラス君を連れてきました。」
「入ってちょうだいー。」
「失礼します。」
「テレサちゃんからAランク昇格の優遇について聞いたわー。」
「…それで、結論はどうなりましたか?」
「2は難易度によって許可するけど3はやっぱりだめね…」
「そうですか…ありがとうございました。」
まあ2が許されただけでも良かった。
俺はソフィアたち以外とは連携をしたことがないし、その上初対面の人とうまくやっていく自信がない。
「パーティー推奨クエストをソロでやりたいときは私に話してね。」
「分かりました。」
「3についてなんだけど、ちょうど明日遠征に行ってたBランクパーティーが帰ってくるの。
それで、明日から参加して早めにパーティークエスト10回達成するのはどうかしら?」
Bランクパーティが常にいるわけではないし、自分で招集するのも大変なので参加するのが無難だろうか。
「じゃあそうさせてもらいます。」
「分かったわ。じゃあ明日の正午にまたギルドを訪ねてね。」
「はい。色々とありがとうございます。」
「気にしないで!この仕事に誇りを持っているもの!」
そうはいってもやはりお世話になりっぱなしなので今度恩返しをしよう。
その後海鮮亭に帰って眠りについた。
翌朝、正午までクエストをして時間を潰してもいいのだが、そういえばまだ海上都市の散策をしていないことに気づいた。
なので、午前は散策をすることにした。
『魔道具店と商会、鍛冶屋、あと一応奴隷商館の場所も把握しておきたいな。』
今はまだ計画段階なのだが、将来様々な街で屋敷を所有してそこで購入した奴隷を住まわせ、世界中に拠点を展開したい。
王都はその原点だ。
『定期的に収入も得られるし、その上拠点にもできるから一石二鳥だな。』
散策をしていると、ここは王都と違って道がとても広いことに気が付いた。
これは田舎の強みだろう。
大通りに出て、俺は商会と奴隷商館を見つけた。
奴隷商館は王都のよりも小さいが、小綺麗さでは勝っていた。
『扱ってる奴隷も見てみるか。』
俺は姿を”偽装”して奴隷商館に入った。
「いらっしゃませ。どのような奴隷をお探しで?」
「犯罪奴隷以外全員を見たい。」
「了解しました。こちらにおりますのでごゆっくりどうぞ。」
ここは館内も小綺麗で、怪我や持病がある人はいたが感染症は蔓延していなかった。
その上、皆健康体そのものだ。
「マスター、質問いいか?」
「はい。どうしましたか?」
「どうしてここはこんなに奴隷の状態がいいんだ?」
「この街では奴隷は貴重な労働力として重宝されているんです。海のそばだから自然災害も多いですし…」
「なるほど…ありがとう。」
「いえいえ。」
その後メリル魔道具店を見つけた。
入ってみると、おばあさんが受付をしていた。
軽く挨拶をした後店内を見て回った。
ここは水に関する魔道具が多かったが、品ぞろえ豊富だった。
『王都まで戻って買う手間が省けたな…』
その後鍛冶屋が集まった通りに向かった。
どこもいまいちで少し残念に思いながら歩いていた。
すると、なにやら奥から強い魔力を発する鍛冶屋を見つけた。
その魔力の根源を”鑑定”してみた結果、”レーヴァテインS”という魔剣だった。
『天魔の剣はおいておくとして…ゼフソードよりもランクが高い武器は初めて見たな。』
レーヴァテインを購入できるか相談するため店に入ると、少女が出迎えた。
「いらっしゃいませ!ごゆっくりどうぞ!!」
「聞きたいことがあるんだが…奥にあるものは買えるか?」
「お父さんに聞いてみないと分からない…」
「そうか…君の父親はいるか?」
「奥にいるけど体調が悪いの。だから…」
「助けになれるかもしれない。」
「本当…!?」
「ああ。俺はダグラスだ。よろしく頼む。」
「私はベル。ついてきて!!」
俺は店の奥へついていった。
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