妹から勧められて歌ってみたを投稿したら、大人気歌い手になってしまった件

配信、開始

「じゃあ、始めますか。……えいえい」

「oh」「wow」

という、何とも気合の抜ける音頭で配信開始。まぁ、緊張もとれた気がするのでありがたいかも。

まず初めに映し出されたのは、東アニ印のプロモートアニメーションだ。既に200万回再生を突破しており配信の視聴者であれば見た人も多いだろう。にも関わらず、賞賛のコメントは止まらない。

『東アニしか勝たん』『もはやこれだけで飯が食えるまである』『美しすぎてこっちまで美しくなっちまったよ』

そして、それが流し終わると、ついにメンバー紹介だ。トップバッターを切ったのは、東アニから来たということもあり、朝はぜ先生。

「皆さん初めましてー！『ライムライト』イラストレーター部門、朝はぜです！」

と、元気よく始まった朝はぜ先生の自己紹介。イラストレーターとしても人気の朝はぜ先生を知っている視聴者も多く、『1人目から大物だ……！』とコメント欄は既に盛り上がりを見せている。

「はい、じゃあ次の人へ！どうぞ！」

とパスを貰ったのは、Ayaさん。またもや人気の高いクリエイターの登場に、配信開始5分で既に大盛り上がりである。

「「「皆さんこんばんは〜！『くらうん』でーす！！！」」」と、くらうんの3人が続くと、またもや湧くコメント欄。流れるスピードがおかしなことになっている。っていうか、3人ともさっきまで緊張してた気がするのにそれを全く感じさせない。流石だなぁ、と思うばかりだ。

そして、次が僕達『√』なのだけど。

僕らはちょっと、いやかなり知名度的に下だ。例えば僕が視聴者でも、「いや誰？」ってなると思う。

そこである『仕込み』をプロモートアニメーションにしておいたのだけど……功を奏してくれ、頼む。

「初めまして、ライムライトに所属することになりました『√』のtamaと」

「yoruです、宜しくお願いします！」

ネタバラシがいるかな、と思っていたのだけど、その必要は無かった。勘のいい、というか耳のいい視聴者がコメントしてくれたのだ。

『アニメに声入れてた人だ！』と。そう、あのアニメーションには僕がナレーションを入れていて、夜月がイラストで参加していたのだ。

1人が気付けばどんどん気が付く人も増える。先程流したのもあって、「おお〜！」となってくれたようだ。

実はアニメーションの方には、コメントで『皆アニメに気を取られててるけどこのナレーション良くね？』『この声誰だ…？』『声優さんかと思ったけど聞き覚えないぞ』と、話題にしてくれていたものもあったのだ。聡い人も中にはいて、夜月のイラストに『ここだけタッチ違う絵だけど、なんか気になるんだよな（いい意味で）』と言及している人もいたりした。

そして何より嬉しかったのは、『え、『√』だ！！マジで！？』と、僕達のファンと思しきコメントがあったこと。心がぽかぽかする（Aya並感）。

「「周りを見るととんでもない人ばっかりですが、僕達も頑張っていきますので応援宜しくお願いします！」」と2人で締めて、最後に残る東方さんにパス。あー、緊張した……。

僕達の次に、東方さんが登場した時が一番盛り上がったかもしれない。東アニでアニメ化し、劇場版も売れに売れまくった東方さんの作品のファンは世代を問わない。

「えー、フレッシュなメンバーの中、ただ1人30代が目前に迫っております東方です」

という挨拶で視聴者の笑いを誘った東方さんも、配信未経験という言葉を疑いたくなるくらい綺麗に締めて見せて、メンバー紹介は無事終了。次は、『ライムライト』として活動するときの立ち絵披露だ。

そしてここにも、仕込みが一つ。イラストレーター部門の2人、朝はぜ先生と夜月の合作なのだ。『くらうん』の3人は既に使っていたものをリメイク。僕達『√』に夜月が最初に描いた立ち絵もさらに細かい部分が足され、心機一転という感じだ。

朝はぜ先生は、黒髪を後ろで結った大人の女性といったテイスト。一目で『東アニだ！』となる立ち絵で、朝はぜ先生にぴったりだと思う。

Ayaさんは「………ロリで！」という本人の希望を汲んで、朝はぜ先生と対になるような立ち絵に。薄いピンクの髪が印象的な可愛い「ロリ」だ。本人は狂喜乱舞していた。

『くらうん』は、「さらにカッコよくしてどうするんすか」と聞きたくなるくらいカッコいい仕上がり。女子のイケメンに対する強いこだわりを強く体感する次第だ。

僕達『√』は打って変わって和風テイスト。大正ロマンが一番近いかも。コメントでも大好評で、夜月の頭をわしゃーっと撫でてみる。「へへへ〜っ」と夜月。

東方さんは一番本人に近いかもしれない。大人の男性の色気みたいなものが漂いまくっていて、こちらも大好評。鎖骨が見えるようにシャツをわざと開けたのは朝はぜ先生の性癖だそう。その時東方さんが本当に開襟シャツを着ていたので爆笑したのだったっけ。

立ち絵の披露が終わるころには、同時接続の視聴者数は7.2万人を突破していた。東アニの、そして『ライムライト』の注目度の高さに改めてびっくりする。まだ午後9時半。あと1時間ほどは、『ライムライト』についてだったりの雑談の予定だ。

「さて、まだまだ夜も半ば！視聴者のみなさんも色々話していきましょ〜！」

と、朝はぜ先生。まだまだ初配信は、終わらない。

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作者より

どなたか、FA描いてくれないかな……って回でした。ネットを扱う話なので、外見の描写はなるべく少なめに行こうと思ってたんですが、やったら楽しいですね、やっぱり。書籍化する作家さんの「キャラクターに絵がつくのが嬉しい」というのが、あー、なるほど、となった次第でした。

それではまた、お付き合い下さいませ。