二人の配信風景は

「みんな『*ハロー、プラネット。』もう見てくれた?……おー、ありがとー!」


三本目の歌ってみた、『*ハロー、プラネット。』を投稿した後、環と夜月は配信を行なっていた。


そう、今日の配信には夜月も声を載せているのだ。


「は……はじめまして、『√』のイラスト担当のyoru……です」


と、あがり症気味の挨拶をした時は、


『かわいいいいい』『ファッ!?』『妹も声いいのか』と、コメント欄も大盛り上がりだった。前回の配信では僕だけだったので、yoruへの期待値も高まっていたらしい。


「さて、今日は事前に貰った質問に答えつつ、改めて自己紹介しようかなーと思ってます。合間合間に、ちょっとだけ歌うかも」


「はい、じゃあ早速一通目の質問行ってみましょうか。お兄ちゃ……tama君、準備はいいですかっ!笑わない!コメント欄も!」


夜月から素で出かけたお兄ちゃん呼びにニヤついた雰囲気のコメント欄。分かる、僕もニヤニヤしてるもん。


ちなみに、配信中とかでのお互いの呼び名はtama君、yoruさんである。


「いつまでも笑ってないでやるよ!はい、一通目!

……えーと、『お二人はマジで兄妹なんですか?設定とかじゃなく?』」


「はい、マジです。yoruさんの妹エピソードならいくらでもありm」


「ねーえー!何で私だけダメージ負うことしようとするの!?」


「みんな聞きたいかなって。ね、みんな?」


『聞きたーい!』『その話マジで希望』と、やたらノリの良いコメント欄。


「まあ、その話はまた今度ね。……このまま話すと何を奢らせられるか……」


『仲良いな』『ほんとに兄妹なんだろうなぁ』


みんな何となく納得してくれたのかな。とは言え、仲の良さは普通くらいじゃないかな……。


「はい、二通目!えー、『お二人は何歳ですか?差し支えなければ教えて下さい』。差し支えあるかもなぁ……」


「うん、詳しい年齢はやめとこうよ。一応、学生、とだけ言っておこうかな」


『やっぱりか』『何となくだけどそう思ってた』


「三通目ー!『tama君は歌ってみたは経験ありでしたか?yoruさんはイラストを始めてどれくらいですか?』。じゃあ、tama君からどうぞ」


「僕は全くの未経験かなー。歌ってみた界隈、まだ全然詳しくないから色々教えてね」


「私は3年目です、ペンタブいじってたら楽しくなっちゃって」


と、テンポよく質問に答えていく。質問の中には、夜月への応援……朝はぜ先生のつぶやきから来ました、なんてものもあって、胸が温かくなった。


「じゃあ、ちょっと歌おうかな。この前の配信で貰ってたリクエストとかも歌うよー」


『マシュマリー』、『GREEN DAYS』、『シュガーソングとビターステップ』、『アサトヒカリ』なんかを歌いつつ、配信を閉じる頃には質問も結構な数を捌いていた。


「じゃあ、今日はここらへんでお終いにしようかな。またやるから、良かったら来て下さい」と、僕。


「今日はありがとうございました、良い夜をお過ごしください」


と、夜月が挨拶をして配信を閉じる。


ふっ……と、空気が弛緩して、夜月と顔を見合わせて笑ってしまう。


最後に『*ハロー、プラネット。』を開いて確認すると、先程あげたばかりだというのに再生回数は10万回を超えていた。「「よしっ」」と、夜月とハイタッチ。配信を終えて、夜は静かに深まっていた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者より

どうも、最近妹と久々にミ○ドに行き、ポンデリングの美味しさを思い出した作者です。


ゆるっとした話書くの楽しい…今回の話に登場した楽曲は、読者の方々から頂いたリクエストを採用させて頂きました。またやりたいので、どしどしお送り下さい。作者は花譜さんの『戸惑いテレパシー』に今ハマっております。


それでは、またお付き合い下さいませ。

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