第265話 現象に過ぎぬ

坂道をやっとの思いで登り切った。両手を両膝の上に置き、うつむいて呼吸を整える。はあはあ、ぜえぜえ。ここからは下りだ。と思って顔を上げたら目の前には上り坂。そんなバカな! 振り返れば今登ってきた坂はなく平坦な道がのびている。振り出し?


そんなことが何回か続いている。

ウンザリしてきた。

何かに試されてる?

それとも単なるいたずら? 


さあ、どうしたものか。

再度登ってみるか。回り道を行くか。

次こそは登り切れるような気はするんだけど……。


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