超短篇

第15話 責任はもてぬ

圧倒的な食欲だ。死がそこまできているのだろう。食べるだけ食べたら眠りにつく。その後どうなるのか。正確なことは知らない。ただぼんやりとした予感があるだけ。

形態変化を起こすのだろう。これまでも何度かそれを繰り返しているような気がする。前回、どんな形態だったのかは覚えていない。今のこの形態とは違うような気がしているだけだ。だから次にどんな形態になるかもわからない。

形態が変化すると同時に意識も変化する。次の形態がわからないのだ、もちろん意識の変容もどうなるかわからない。わからないけれど変容後の意識に現在との連続性があるとは思えない。前回の変容の後の今回、連続性を感じないのだから。

つまり形態変化は死と同義。死して再生する。再生されるが意識に連続性はない。

次の形態変化の後、なにをやらかすか知らないが、その責任はもてぬ。