ゲーム音楽はお好きですか?

第3話【スルメ】

 生憎の天候となっていますが、皆様このマーズ放送協会アウストラレ高原スタジオに、お足をお運び下さいまして、まことにアリガトウございます。

 本日もまた、このスタジオから生放送でお届けさせて頂いております。

 そして今回からは作品が変わります。大人気の小説サイト・カクヨムさんに投稿されていますWEB小説、ゲーム音楽はお好きですか? に出演されておられるキャラクターさんに突撃して、一切の忖度なしにインタビューしますよ~。

 はい、それでは早速、現場へ向かっているアナウンサー、玄馬幾子げんばいくこに呼びかけてみましょうか。


「現場の玄馬さーん!」

『……』

「玄馬幾子さぁ――ん!」

『なによプーアルって、わたし烏龍茶って云ったのにぃ!』


 ああっと、かなり音声が乱れてしまっています。「えっ、あ、はい!」

 ええと、たいへん失礼しました。いったんここでコマーシャルです。


【画面が切り替わり、スポンサーによる特保・黒烏龍茶を宣伝する映像が流れる】


 はい、えー、ようやく現場の玄馬さんとつながりました。呼んでみますね。


「玄馬さぁん?」

『あれ、タルタルソースは? ええー、ついてないのぉ~』

「現場の玄馬幾子さぁーん! 聞こえていませんかぁー!!」

『おお、おっはい、ハイハイハーイ! よーく、聞こえてますよ~』


 ふう、やっと聞こえたみたいです。

(なんだよあいつ! 今は烏龍でもタルタルでもねえってのぉ!)


「えー、玄馬さん、どちらに行かれてますか?」

『はい。わたしは今、十億年前のアースにきています』

「ええっ、十億年前にですか!?」

『はーい! 今日インタビューをさせて頂くことになっている、魚貝類加工会社の新入社員・スルメさんが、こちらで入社式の最中なんですよ~』

「ええっ、入社式に突撃するのですかぁ!?」

『ハイハーイ、そうなんですぅ~』

「そうですか。それでは早速インタビューのほう、お願いします」

『はぁい、わっかりましたぁ~』


【画面内容が切り替わって、魚貝類加工会社の缶詰工場が映る】


「こんにちは、スルメさん!」

「お、ちわお、す」

「では早速、お約束していましたインタビュー、準備よろしいでしょうか?」

「おつけお、す」

「最初の質問。お名前は?」

刷流目スルメでお、す。でおす、でおす!」

「おおノリがいいですねえ。いつもテンション高いのですか?」

「スルメえ! おお違う違う、アタリめえ!」

「ファーストネームは?」

葦雄アシオでお、す。でおす、でおすまおす調。なんつって、けらけらけせら」

「スルメ・アシオさんですね?」

「スルメえ! おお違う違う、アタリめえ!」

「あの、同じことを二回も云わないでくださいます?」

「うええお!」

「は?」

「したあお!」

「へ?」

「これが、おれ流の自己アピール、でおす、まおすでおす調」

「二つ目の質問。年齢は?」

「二十二歳、でおす! 二十二歳・独身、でおす。彼女募集中、でおすでおす」

「あの、質問に対する回答以外を云わないでくださいます?」

「えお!? エヌジイ? 彼女の募集、エヌジイ?」

「はい、では三つ目の質問。種族は?」

新烏賊類にゅうたいぷう。なんつって、げそげそお」

「はいええ、はいはい。そうですか。次の質問。出身地は?」

「シンシュウ」

「えっと、どこにありますか?」

「ニッポンコク」

「ああああ、あの景色の美しい島国ですね?」

「うん、まあね。だから、まあ、ね♪ でもまだまだ、まあ、ね♪ だから、だぁおかぁおらぁお、まあね♪ ちゃんちゃん!」

「意味が少しもちっとも判りません」

「おっはお!」

「次の質問にうつります。髪の色と目の色は?」

「髪はスキンヘッド、目は眼力がない節穴ってこと。まあね。だから、まあ、ね♪ でもまだまだ――」

「ああ、もういいです、そのヘンテコな歌は!」

「あっそう? アソのオヤマ? アソのタロウ?」

「はいはい、では次です。外見の特徴は?」

「イヌ」

「真面目に!」

「ネコ」

「ご職業は?」

「魚貝類加工会社の取締役じゃない平社員」

「学歴は?」

「都の西北・パスタ大学水産学部加工食品科卒業」

「卒業論文のタイトルは?」

「イカの市場卸価格変動と居酒屋チェーン店舗数変動との関連性についての考察」

「家族構成は?」

「独身、でおす。まおす、でおす!」

「ご両親は?」

「父はスルメイカ、母はヤリイカでおす」

「はい。では次、性格の特徴は?」

「まあイカにもな性格。軽いって感じのな」

「あー、よく判ります。それでは、好きなものは?」

「シイフウド・カリイ」

「えっと、辛口味ですか?」

「のおのお、シイフウド・ヌウドル味」

「特技は?」

「スルメ・エクストリイム」

「それは、どんな技なのでしょう?」

「おれはHPがマイナス53で、すげえ弱いんだけどお、MPは10なんだ。それの10分の1つまり1を知って、しかるのちに10を知る。なんつって。だから、まあ、ね♪ でもまだまだ、まあ、ね♪ だから――」

「えっと、それは必殺技ですか?」

「まあ相手がザコキャラでもHPが20パー未満でも、当てても0にはできない」

「まったく役に立たないのでは?」

「まあね。だから、まあ、ね♪ でもまだまだ、まあ、ね♪ だから――」

「嫌いなものは?」

「タコ」

「苦手なものは?」

「マッコウクジラ」

「好きな食べものと嫌いな食べものは?」

「おいおい、おれの海洋生物ネタはソオメンなのか?」

「ええ、ちょっと時間が押していますので、ご協力お願いします」

「判ったでおす。好きな食べものはイカの姿焼きで、嫌いな食べものはタコ焼き」

「好きな色と嫌いな色は?」

「またしてもソオメンでおすかい! いいよお、げっそお。つおかイカ色が好きで、タコ色が嫌い!」

「イカ的に好きなのはどんなイカ?」

「おれみたいにファンキーなイカでおす」

「苦手なのはどんなイカ?」

「きみのようにファンシーなイカまおす」

「恋人にするならどんな人?」

露樹ツユキ桃乃モモノだね。これマジレスな」

「一番の友達は誰でしょうか? またどんな人でしょうか?」

「やっぱりソオメンされたわ! いいよおもお、げっそお! 一番の友達は、つおか唯一の友はご飯の友」

「本当に?」

「げそげそお、おお違う違う、うそうそお。マジ友は、嗅鯛カギタイ建介ケンスケだよ。小学校から大学までずっと同じ学校だったっけ?」

「腐れ縁ですね。えっとそしたら、なんでも願いが叶うとすれば、どうしますか?」

「まあおれは三枚目一筋だけどな、じいまあで五回くらいならマーズ放送協会の大河ドラマで主演の、つおか脇役でも山縣有朋を受けちゃるげそ」

「生まれ変わるなら、どうなりたいですか?」

「ちゃげそお、イカソオメンかよ!」

「生まれ変わるなら?」

「大隈重信ちゃお!」

「ええっ、そっち?」

「そげなこつばい!」

「どんな死に際に憧れますか?」

「都の西北・パスタ大学の学長になってから安らかに眠るような死に際」

「はあ。では最後に一言だけお願いします。登場作品の宣伝をしてもいいですよ!」

「おれが出てくるWEB小説、ゲーム音楽はお好きですか? を読んで燻製。おれの臭い友情が輝いてるし、ばりぃイカしとるばい」

「どーもアリガトウございましたぁ!」

「こっちこそでおす。お、それより、おれとイカ墨デートどお?」

「今回の突撃レポートはスルメさんでした。スタジオにお返ししますね~」


【マーズ放送協会アウストラレ高原スタジオ内が映る】

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