第333話 胡蝶の夢

さら…さら…さら…


首にまではたいた白粉は鱗粉。

スカートを翻し、淑女の私が羽根を広げ、羽ばたくのを見ている。


花よ酔え。

花よ酔え。


その素晴らしき紳士の指先を覆う白い手袋が拭ったのは、

花に擬態した私の赤い唇。


差し入れられた粘る舌をすすれば甘い蜜。


花が蜘蛛だと、夢見る胡蝶はまだ知らない。




★☆★


胡蝶=淑女(主人公)

花=紳士→実は→蜘蛛


『胡蝶が、淑女になって舞踏会にいる。

取り巻く紳士は花々の化身。

胡蝶が口吻を伸ばさずとも、花は自ら蜜を注ぐ』

という胡蝶の夢は、蜘蛛の巣にかかり、

食べられる直前の、脳内麻薬の快楽。


って感じでしょうか。



☆★☆


次のお題は〖絡まる〗

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