第303話 遣らずの雨 ③

我慢の限界。


織り上げたばかりの布を目の前で引き裂いた私の狂気に、

ようやく父も折れた。


「これでは、アルタイルに帰れない」


「いいじゃありませんか。

 夫婦なんですもの。

 ねぇ、彦星様。

 私、あなたの子供が欲しい。

 雨が止む迄、もっと愛して」


天帝の降らせる雨は、催涙雨?

いいえ、これは遣らずの雨。




★☆★


調子にのった3作目。


いや~。

ふと、

「雨が降ったら、天の川が氾濫して、彦星と織姫は会えないらしいけど、二人が会っっている間に雨が降ったら、止む迄、一緒にいられるんじゃない?」

って、思っちゃったんだよね~。


そもそも、ひたすら布を織り続ける織姫を不憫に思い、彦星と結婚させたのは、織姫の父の天帝。

二人を1年に1度しか会わせなくしたのも天帝ですが、彼なら、娘に絆されて、(部下に命じて)雨を降らすのも可能なんじゃない^^

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