第279話 ほとぼりが冷める

登り窯の『窯出し』は、焚いた時間の分だけ冷ましてから。


『火入れ』から、煙で燻され、灰被り、

窒息しそうな還元焼成の恋で焼いた私を、

「失敗作だ」

と、言っていたのに。


体の芯の熾火が消え、

ほとぼりも冷めた私に、

「勿体ないから」

と、焼け木杭ぼっくいに火を点ける。


お願いだから…

もう、放っておいてよ。




★☆★


「登り窯の『窯出し』」と書いて、「セカンドラブ」と読む(笑)


☆★☆


次のお題は〖本音〗

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