第227話 理屈抜き
「いけません」
昨年刊行された与謝野晶子の歌集『みだれ髪』の一首を、まだ充分にうら若いと形容されうる年齢に見えながら、熟れすぎた柿の芳香を放つ彼女は、読経する拙僧の耳に囁く。
お盆の次期は忙しく、この家の旦那の本宅に呼ばれた禅師の代わりに派遣された雲水の拒絶に、彼女はクスクスと笑う。
★☆★
とあるお大尽の妾宅。
大尽は、古くからのお妾さんが病気になったから、その看病をさせるのに、新しいお妾さんを囲ったんだな。
でもって、その古いお妾さんの新盆って感じかな。
『みだれ髪』の一首はもちろん
“やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君”
っす。
この場合の“道”は“仏道”ですかな。
〖理屈〗の意味は『筋が通っている考え。道理。』
旦那の留守にタブーをおかし、男前雲水との情事を愉しもうとする妾。
でも、〖理屈〗の意味には『情事。色事。』って意味もあるそうなので、至りませんでした。
ちゃんちゃん。
☆★☆
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