第226話 紅

赤いマニキュアの指先が、ティーカップの取手をつまみ、

彼女の深紅の唇へと運ぶ。


今夜、泊まる温泉旅館は、

客室露天風呂から紅葉越しの渓流の向こうへ、山の絶景が拡がっているそうだ。


今はその目的地へ向かう途中休憩。


「ん…美味しい」


白磁に移る紅を見つめ、

秋の満喫を希む有閑マダムは僕の飼い主。




★☆★


有閑マダムと若いツバメ


(『紅』というからには…『口紅』『紅茶』『紅葉』を入れたいよね)

と思ったら、こうなった。


…はて? なんで、『若いツバメ』って言うんだ?



☆★☆


次のお題は〖理屈抜き〗

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る