第228話 アドバイス

吾は、信頼する者を間違えた。


母共々、吾を皇太子にするを奔走してくれた彼だから、

父からの寵愛を一身に浴びられた優しき母の亡き後も、

彼の助言に従えば、やがては立太子の日が来ると思っておったのに。


「寿王。玄宗皇帝には楊玉環妃からお願いして頂いてみてはいかがでしょう?」


吾は全てを失った。




★☆★


楊貴妃の最初の夫・寿王李瑁りぼう

彼=林甫りんぽ


李瑁の母の恵妃けいひは、楊貴妃以前に玄宗の寵愛を受けていた女性です。

林甫りんぽは、李瑁りぼうの後ろ盾になる事を条件に、恵妃けいひによって、大抜擢の地位を手にいれたとか。

その後、二人は、当時の皇太子(玄宗の次男)を廃太子して、自殺に追い込みますが、その年に恵妃けいひが亡くなり、玄宗の三男が立太子しました。


玄宗が、楊貴妃を見初めるのは、それから2年後の事です。

どこで見染めたのかは解らないので、想像です。

でも、まぁ。王太子にもなれず、父ちゃんに嫁をとられた事は間違いない。



☆★☆


次のお題は〖悪魔の囁き〗

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