第161話 相合傘 ②

「あの時は『旋毛つむじが喋ってる』って思ったよ」


今でも夫は、私の黒歴史を笑って話す。


バレンタイン。

放課後の美術室。

自由登校の先輩に告白できるラストチャンス。


「だけど…お前。いつまで俺の黒歴史をネタにするんだ?」


チョコケーキの上の黒板こくばんもどき。

チョーク色のアイシングは、私と夫の名前入り相合傘。




★☆★


高校生の時は、美術部の先輩後輩だった夫婦。

後輩妻、先輩夫にバレンタインのチョコを差し出し告白するも、

ずっと俯いてたんだろうね。

先輩夫、俯いたままの後輩妻に顔をあげてもらう為、美術室の黒板に、チョークで相合傘書いたんじゃねーの。

知らんけど。



☆★☆


次のお題は〖美女〗

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