第127話 戻る

”あがり”を目前に"ふりだしへ戻る"のマスに止まった。


「はっはっはっ。また、一からやり直しだ。お前はいつもそこに止まる」


嘲笑にムッとしながら、コマをふりだしに置くと視界がぐにゃりと歪んだ。


乳児の俺は、回転するベッドメリーを見つめながら、誰と何処で双六をしていたのかを忘れていった。




★☆★


人生双六。


言葉を喋る頃には、誰かと双六をしていた記憶は無い。

そして、そこに至るまでのサイコロの目は違うので、同じ人生を歩んではいない。


だけどいつも、いつの間にか、誰かと本当に双六をしていて(もしかしたら、夢でサイコロを振って、止まったマスに書かれてある事が、実際に起こってきてたのかも)、最終的に同じマスに止まり、赤ちゃんからやり直し。

さてさて。彼は一体、何回、"ふりだしへ戻る"のマスに止まってきたのか。

彼が“あがり”つまり”死”に辿り着くのはいつの日か。

って感じ。



☆★☆


次のお題は〖回想〗



ボツお題は〖アレロパシー〗

なんだ、これ?


他感作用

『ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果の総称』

(参照:ウィキペディア)


なんだ、それ?

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