第12話 冒険者登録と身体検査の結果―――
「さて、ある程度の身体検査はおわったか。 ステータスは愚か―――どれもこれもダメダメじゃねぇか!?」
「はぁ…はぁ…はぁ…え? まじで? これ? これまじ?」
等と何度も俺は現実を受け入れられないでいる、なんというか…クソニート時代よりも…数段に俺自身の身体能力が衰えているのだ。
もうそれもびっくりするくらいに…
「異端者じゃなかったら…その~…めちゃくちゃアウトですよ…これは」
「え、えぇ…そうですね」
黒斗と灯樺の二人も何故か俺に気を遣う始末。
やめてくれ!! それ以上に惨めなことは無い!!
「身体能力は平均を大きく下回り…魔力の適正はゼロ。 スキルもゼロで極めつけはこれだ。 レベルアップしないぃ!? おい!! どうなってやがんだ!?」
「いや、それはこっちが聞きたい位だよ!」
なーにが! レベルアップ無制限だ! レベルも上がらないんじゃ意味ねぇだろ!!
「だが、実力はこっちの3人のお墨付きだ。 悪いが、根本がクソ雑魚人間だとしても、あのアーマーの能力は俺が保証してやるよ。 が、こりゃ永久的に”ソロ”決定だな」
「えぇ、そうですね」
「間違いなく」
なんだその憐れんだ表情は?
「ソロ? ってソロ冒険者の?」
俺も一度は聞いたことがある、ソロ冒険者とはクランは愚かギルドに属する事は無く冒険者パーティーも組むことは無い孤高の存在。
「まず初めにその人間状態のお前と組む奴なんているとおもうか?」
「なんだ…人間状態って!? まぁ…そりゃ」
赤子以下のステータスに子供以下の身体能力では正直言ってだれも現れないだろう。
「そうですね、創輔さんのアーマーはとても強力だと思います。 ですが、連携するとなれば別ですよね? あれだけ協力な重火器…おまけに足場の悪いダンジョンとなるとその重量では…」
俺のアーマーの重量は測定結果、約”10トン”乗用車10台分に匹敵する重さだ。
確かに…動画投稿サイトで見た足場の悪い洞窟の様なダンジョンであれば地面に大穴が空く事は間違いないだろう。
「際付けはこうです…騙せる要素がないって事ですかね?」
「だ、騙せる要素!? どういう事だ!?」
「犯罪を犯す様な冒険者共も毛嫌いするという意味だ、身体検査中のお前の話から察するに”殺意”にお前の力は過敏に反応するんだろう? 例えばだ―――」
「「ちょ、ちょっと!?」」
スンッ!!
何処からともなく槍を取り出したカイネは俺の胸を目掛けえて、槍を穿つ。
が―――
ガインッ!!
『強制装着開始。 AP10%減少―――残りAP90%』
「なっ…そんな芸当まで!?」
「……す、すごい」
俺の胸は部分的な装着を完了すると、カイネの槍を防いだ。
と言うかちょっと待て!? あれだけで10%!? 10回食らえばお終いじゃないか!?
「言っとくが俺は全力でこいつを殺そうとした。 が、結果はこれだ…これじゃ最初は騙せても。 無暗に襲いたくはねぇだろう?」
「「た、確かに…」」
「とりあえずだ。 ほらよ! これでお前はれっきとした”Fランク冒険者”だ。 ついでに俺達3人から”Fランクダンジョン単独攻略許可証”を出しておく」
「Fランクダンジョン単独攻略許可証!?」
な、なんだそれ!? 普通のダンジョン攻略許可証とは違うのか!?」
この世界のダンジョンに挑む為には”攻略許可証”というものが必要になり、規定の人数分の許可証が集まってやっと攻略への侵入を可能としている。
しかし―――
「では、黒斗。 説明を!」
「急にめんどくさくなった!? では、僕らから説明を。 通常ダンジョンの攻略をする際”人数分”の許可証と規定のパーティーメンバーやクラン・ギルドのメンバーと協力する事で初めて攻略を開始できます。 ですが、これは特別な許可証―――異端者の中でも僕達Aランク冒険者が”単独”で侵入せざるを得ない・又はそれだけの力があると証明する事が出来れば! Aランク冒険者3名の推薦により、最低ランクのダンジョン攻略の単独侵入を許可する許可証を発行できます」
「え? 3人の…Aランク冒険者!?」
俺は許可証の話をそっちのけで、黒斗達に目をやる。
ま、まさかとは思うが…俺と年もそう変わらないお前らがAランク…
「えぇ、僕と姉さんはAランク冒険者ですよ! ほら!」
「じゃん!」
とニッコリ微笑んだ二人は”A”とでかでか表示された”冒険者カード”を見せて来た。
ま、まじで!?
「さて、では最後に。 創輔、お前のランクアップ方法は特殊だ。 異端者であり”その中での例外”だからな? まずはFランクダンジョンを”10ヵ所”攻略するんだ。 期限は問わない、パーティを組んでも・大手ギルドに入っても・クランに所属しても構わねぇぜ? 出来るならな? それじゃ、解散! と…その前に俺らと”フレンド登録”しておくぞ」
「「です!」」
「お。おk…」
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