第11話 名をEXCEEDスキルと称する

「決まった。 その名も!EXCEEDスキル! それがお前の力の名前だ! どうだ? かっこいいだろう!?」

「「EXCEEDスキル!?」」

「限界を超えるスキル?」

「あぁそうだ。 それは明らかに異常なものだ! それに…名称がないと今後、説明するのが面倒だろう? いま、今決めた」

「な、なるほど~…」


それから暫くしてからの事である。 

俺とカイネの二人は部屋の中央で再び向き合う。


「よし、んじゃま…それの力をテストする事にしよう」

「い、いいんですか!? カイネさん!? あの斧はともかく、重火器は危険なにおいがしますよ!?」

「ん~…確かにそれは言えてる。 おい! 創輔! 一発! こっちにそれを撃ってみろ! どこでいい、壁や床…好きなところに試し撃ちしてみてくれ」

「おk!」


俺は腰にマウントされたアサルトマシンガンを手に取る。


『アサルトマシンガンの装備を確認。 残弾数60、セーフティー解除』


ガシュン!! ガゴンッ!!


「「おぉぉ!!!」」


弾倉が自動装填されたアサルトマシンガンを見て、カイネと黒斗の二人は目を輝かせる。


「もう…二人ってば…」

「よし、んじゃ…一発―――」


”何時もの癖”で片手で撃つモーションへと移行した俺はすぐに後悔する事なった。


『片手での射撃行動はオススメできません』

「え?」


ズガガガガガガガ!!!!


「お、おい!?」

「きゃっ!!」

「危ねぇ!!!」


銃弾は至る所に散弾し、俺は銃に引っ張られる様に腕が右往左往し始め…挙句の果てには…

目の前で2人を庇うように槍を振り回す、すごい形相のカイネがこちらを睨んでいた。


数分後…


『残弾数ゼロ―――これ以上の運用は出来ません。 再リロード可能まで――120分。』


カランっ…


「カ、カイネ!?」

「まじかよ…たかが10発程度防いだだけでこれか…」


槍を床へ落とし、その場に跪くカイネを心配した俺は慌てて駆け寄る。


「す、すまん。 制御が…」

「どういうことだ? おまえ…話によればあのダンジョンを攻略したんだろう? それにしては初めて使っているかのような――――」


流石はカイネと言うべきか、すさまじい洞察力である…


「いや、それが…これとは違うんだよ。 俺が使ってたのは」

「ち、違う!? ど、ど、どういうことだ!?」

「チュートリアル専用のアーマー? なんていうか、これはその欠片というか…始まりというか…なんというか」

「ようはなんだ? お前…まさか…それはまだ弱いっていう気じゃないだろうな?」

「………」

「う、嘘でしょう…」

「こ、これで弱い? だって――――」


沈黙を貫く俺はこの場の天井を眺めた、至る所に直径10㎝程の穴が開き…先程まで見えていた薬莢の姿は何処にもない。


「…実力の証明はいい。大体わかった…さて…次に行こう」

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