7-5
「やっと出会えたなぁ……!!
不気味に、尊大に首を鳴らしつつ。
蛇の
「すっかり
ダサカの分際で、友達なんざ、増やしてぇ?
ダサカ
さぞかし、
こっちゃ、未だにボッチ決めてる
ジェットにすら乗れないまま、電車なんか使わされて、愚民共と同じ空間に閉じ込められなきゃいけねんだよ。
全部、
俺の……俺の人生を台無しに、どん底にしやがってぇっ!!」
「……っ!!」
たった一言で、これまでの流れや、
どうやら、期待は外れたらしい。
彼は未だに、酩酊してる。
「は?
全部、身から出た錆でしょ?
てか、どの面下げて来たのよ。
とっとと帰んなさい、オレスキー・ボンボン」
「大体、ケートくんは、ダサくなんかない!!
ケートくんは、ダサカッケー人だよっ!!
ジジとババが、教えてくれたっ!!
ケートくんのパパとママが、そう願って、付けてくれたんだって!!」
言葉でも態勢でも、俺を庇ってくれるレイ、メイ。
そんな二人を、
「そいつの親、
だったら、んなもん、
「
「あんたねぇ!!」
「
微妙にクオリティ高いから、俺の元で奴隷として一生タダ働きさせてやろうと思ったのに。
つか、そんなん、どーでも
つー
あの時と同じ腰巾着を呼び。
「今日こそ、くたばれ」
親指を下に向け、死刑宣告をする
それを合図に、一斉に飛び掛かって来る取り巻き。
まだ
そこに、割って入る影。
「……
勇ましい顔でも、緩み切った顔でもなく。
「どこにも、どの時代にも、現れるものですね。
ああいう、いけ好かない手合いは。
本当に……嘆かわしい」
「あぁ?
誰だ?
「口の聞き方がなってないですよ。
それが年上、初対面への態度ですか。
そもそも私は、
「はっ。
おばさんじゃん。
てか、部外者が出て来んな、くそうぜー。
気絶するだけってのが興醒めだがなぁ」
「……っ!!
あいつは、本気ですっ!!
現に一度、リアルに俺を手に掛けようとした!!
危険ですっ!!」
「ご心配
私とて、
「そんな……!!」
全然、聞いてくれない。
こうなったら……!
皆さんに、説得して
そう試みた
俺の目に飛び込んだのは、
いや……それどころか、哀れんでる?
「あーあ。
我、知ーらない」
「
ある意味、感心するまであるわね……」
「『名前へのバッシング』。
そして、『あの時みたいな状況』。
これは感情移入、不可避……。
……ご愁傷様……」
今度は、全員が合掌し始めた。
え、
「……
「どうぞ。
俺のアイデアで
「
好きにやっちゃって
ここはVRなんだし、イメージだけで、
「痛み入ります」
明らかに補足が
トケータイを構える、
瞬間、眩い光に包まれ。
やがて、そこには、深夜特撮みたいな騎士。
に扮した、
「我が『トッケン』が世界に誇るデビュー作、『
本来であれば、あなたの
大切な友人を、目の前で、一方的に、逆恨みなんぞで愚弄され。
私の怒りは、沸点を通り越し、頂点に達しました。
その威力を
腰に差した、二本の刀を抜き、構え。
次の瞬間。
煙も、音も、一切立てず。
彼に、致命傷を負わせた状態で。
その腕前に、思わず息を呑む。
断末魔すら挙げられぬまま、強制ログアウト対象となる
続けて
一人残らず、退場させた。
「……」
……え?
もしかして、プロ?
てか、
などと思っていたら。
「いやー。
スッキリしたー。
つい、年甲斐も
と、フレンドリーに、ユルユルに笑った。
「すみません、
曲がりなりにも、君のクラスメートだった子
まぁ、VRですし、セーフですよねー。
今頃、向こうで失神してるだけですもんねー。
あー、失敗したなぁ。
どうせなら、後学の
「……」
十二分に、怖い。
この人の方が、
「ま、
先に進んでくださいっ!
我々も、なるはやで追い掛けるのでっ!
ご武運をっ!!」
ビシッと敬礼する
……うん、あれだ。
触らぬ神に祟りなし。
「ありがとうございました。
こっちこそ、
過去の因縁を、絶ち切って
「それなら
あ、そうだ!
これ、今度の公演のチケットです!
お近付きの印に、どうぞ!」
俺のトケータイへと、タダ券をくれる
……なるほど。
地雷さえ踏まなきゃ、
「重ね重ね、感謝します。
是非とも、観覧させて
「はいっ!
会場で、お待ちしてますっ!
チケットは、多めに渡しといたので!
ざっと、100枚ほどっ!」
「限度っ!!」
100枚……100枚て!!
「な、
「え?
だって、
健全な男子高生なら、そのイマジネーションとリビドー告げるままに。
100人
「あなたは俺を、聖闘士星◯か10◯カノ世界の住人とでも位置付けてるんですか……?」
「違うんですか?
おっかしいなぁ。
私は今でも、それ
あと、そこまでは及ばずとも、
「……はい?」
どうしよう。
この人その実、
万人受けするマドンナみたいな顔して。
「
「ちょーっと、こっち、いらっしゃーい」
「えー、
もしかして、ご褒美ですかー?
そんなに、私が大好きなんですかー?
しょうがないなー、もー。
呼ばれなくても、行きますよー」
大盤振る舞いが
なのに、
中々に愉快な人達をバックに。
俺達は改めて、目的地へと向かう。
「あんた、ナコードとチケット、没収。
「お前に慈悲は与えない」
「つまり、『これからは想像だけで我慢しろ』って
分かりました!!
早速、今晩から、
「少しはブレーキしろっ!!
この、アクセル
「
旦那なのに」
「ぎゃー!!
そっちのパターンッ!?」
「カウント・ダウンやでぇ」
「5……。
0」
「『カウント・ダウン』とはっ!!」
「カウントという概念、固定観念その物をダウンさせた」
「
「
けど、そうじゃなくって!!
お、おおお、お助けぇぇぇぇぇっ!?」
「……今のは、
擁護、弁明の余地、
「う、
は……恥ずか、しい……。
……です……」
二人にボコられる、
「……」
……後で、こっそり返しとこう。
何枚かだけ
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