5-2
別に、変な期待なんかしてない。
レイの言わんとした『
その程度でアダルト方面を期待する
でもさぁ。
それはそうとして、カラオケは
全部、俺のアウトドア経験が壊滅的に、ほぼ皆無な
「なぁに、しょげてるのよ。
とっとと座りなさいよ。
立ってても疲れるでしょ」
「はぁい……」
入室して想像に、相変わらず高飛車に、けれど気遣ってくれるレイ。
彼女の言葉に従い、ソファに腰掛ける。
マイク・テストをしつつ。
レイは、俺を見た。
「ケート。
「……彼女の暴露で、俺がパニクってたから?」
「そうよ。
その
あなたの精神は、この『
あなたがストレスを抱いた対象は、イメージを損ねたばっかりに、
「……なるほど。
じゃあ
あの時はまだ、俺の心の平穏は保ててた
「そういう気分だったから」
「……さいですか」
後者に対して思ってた以上に身も蓋もない、しょうもない。
けれど、レイらしい真相を明かされ。
思わず、吹き出し。
はたと、矛盾してそうな箇所に
「……待ってよ。
イベントの開催も。
賞品がナコードなのも。
俺に教えたのは、『
君に酷似した、『
衝動的に立ち上がり、俺は話を続ける。
「
彼女の言葉を、俺は疑わなかった!
あの日ここに来た時にのみ、摩り替えられた!
その程度にしか、捉えていなかった!
でも、実際は違った……!?
もしそうなら、メイにだって、もっと如実に変化が現れた
俺の推理が、根底から覆された……!?
これって、つまり……!」
俺の入れたメスに、レイは得意気に笑った。
「少し違うわ、ケート。
あなたは、本心では見抜いていた。
日頃の豊富な読書経験の賜物か。
はたまた、一夏の秘め事の恩恵か。
もしくは、シンパシーや好意か。
あなたは本能的に、直感で、辿り着きつつあったのよ。
今回の一件に隠蔽された、その実サプライズでも
マイクをセットしたスタンドから離れ、目の前で座り。
レイは、俺の手を握り、目を瞑った。
彼女の脳と胸が発光。
両腕を伝って、俺の中に入り込んで来た。
彼女の記憶と、情報が。
それを受けた上でコメントはというと。
「……ねぇ。
俺が分析した彼女の深層心理、
あと、彼女の背景と、バックに付いてる人が、思ってた以上に、アレだったんだけど……」
「……そうね。
いや、まぁ、聞いてはいたけどさ。
やれ「高2の時点で『
それはもう、耳タコになるレベルで聞かされてはいたさ。
けどさぁ。
ここまでガッツリ固める
「それはそうと、ケート。
この中に、二人分のデータが統合されてる。
よって、伝令役の任は解かれたわ。
これで
「お疲れ
「ええ。
こんな面倒な仕事、二度とごめんだわ。
髪を弄りながら、俺に偉そうに語るレイ。
やや
「一応、確認だけさせて
あなたは、どっちを選ぶの?
メイ?
それとも……」
「……」
少し
俺は、首を横に振った。
正直、まだ抵抗
後ろめたさや、不安感だって
それが、嘘偽り
「ーーごめん。
俺は、どっちも選ばない。
レイも、メイも、選べない。
この世界は、俺の痛い、
二人は、あの人であって、俺でもある。
君達は、ナコードによって生み出された、あの人の単なるバック・アップ。
それを元に、俺好みに構築し直された。
俺の『
俺が望む限り、どこまでも忠実に仕えてくれる、俺の腹心。
俺が
現実世界の、あの人じゃない」
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