第61話
僕は一人平然と席に着く。
「これで彼の強さについて理解はしてくれただろうか?」
僕と同じく平然としている官総理が話しを進めようとする。
官総理を含む、亜生副総理、大泉ダンジョン対策大臣の三人はレベルを上げておらず、魔力も感知できないので僕という脅威を正しく認識出来ず劇的なダメージを受けている他の人たちと違って平然としていた。
まぁ、僕の魔力が異常すぎて、魔力を感知できないはずの大泉ダンジョン対策大臣も圧倒的な脅威を、格の違いを感じたのか冷や汗をかいているようだが。
その中で一切反応を見せない二人は流石歴戦の政治家と言うべきか。
官総理の疑問に誰も答えることが出来ない。
皆黙り込んでしまっている。
「あ、あんたは何者だ?」
ようやく落ち着いてきた頃合いに雨宮さんは僕を睨みつけながら問う。
「僕はただの人だよ」
僕はそれに肩をすくめる用にして答える。
「そんなわけあるか……!こんなのの人間業じゃない……!何者だ!お前が!お前が!お前が!全ての元凶か!魔物を生み!ダンジョンを作り!アメリカを灰燼に帰したのはお前か!」
「なっ!そんなわ」
「なぜ僕がそんなことをしなければならない?」
僕は雨宮さんの言葉に反論しようとした正行の言葉に言葉を被せるようにして答える。
「僕は最強だ。お前らを力でねじ伏せることくらい、世界を滅ぼせることくらい楽にできるぞ?覚えておけよ。今、君たちが生きているのは僕の気まぐれによるものだということを」
「ま、そういうことらしいね」
傲慢不敵に話す僕に肩をすくめながら正行が話す。
「これ以上の彼への侮辱は許さない。なおも続けるようなら僕達『ブレイバーズ』を敵にすると思ったほうがいい。君たちも僕らと敵対はしたくないだろう?」
「……くそッなんで……。わかったよ。これ以上絡んだりしない」
「そうか。よかった」
正行が満足そうに頷く。
「佐藤。君も文句ないね?」
「あぁ。そんな怪物相手に何か意見するなんて正気の沙汰じゃないよ。俺は彼と君たち『ブレイバーズ』を敵に回すことなんて出来ないからね。僕達のギルドは弱い者たちが集まる弱小集団なんだよ。許してほしいね」
佐藤くんも文句はないようだ。
「全く。会議前にとんだ茶番が入ったものだ。でもこれでようやく本題に入れるね。それで官総理。この会議の司会は私がやっていいんですよね?」
「あぁ。君たちプロフェッショナルに任せるとするよ」
「ありがとうございます。さて、これから会議を開始するよ」
ようやく本題の会議が始まった。
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