第62話
「さて、率直に私の結論を話そうか。私はここ日本という国で大氾濫は起きないと考えている。が、これは何も知らない私の意見だ。零くん。君はどう考えているかい?君は大氾濫が何なのかを知っているかい?」
「まぁ、知っているね。迷宮大氾濫が何なのか。それを簡単に一言で話すとするのならばダンジョンの暴走、かな?いや、これは普通にわかりにくいな。普通に説明しよう。ダンジョンの魔物を倒していなかった結果、魔物の数が増えることによってダンジョン内の魔力濃度が増加。それによって魔物のボスが発生。魔物のボスと一緒に溜まりに溜まった魔物が一気に出てくる感じかな」
「……なんであなたがそんな詳しいことまで知っているのよ……」
僕が迷宮大氾濫について説明すると、ボソリと雨宮さんが呟く。
しかし、あくまで呟いただけ。
それ以上なにか言ってくることもなかったので、僕も正行も目くじらを立てず、普通に流してあげる。
「なるほどね……じゃあやはり日本では起きないだろうと考えているよ」
僕の話を聞いて正行が告げる。
僕がそれは違うよ。と言う前に、雨宮さんが言葉を告げる。
「それはなんでよ?」
「ふふふ、少し前に私とそこの零くんが魔物を軽く億以上の魔物を倒しているからね」
……倒したのは億なんてものじゃないけどね。桁が幾つも違う。
「なっ!億以上!?」
「そうだよ。私が零くんを信用し、疑わない理由はそこにあるんだ。あんな圧倒的な力を持つ彼に逆らう気なんて起きないし、もし彼が全ての元凶ならどうすることも出来ないよ」
「なっ……そこまでなの……」
「なるほど。では、日本で起きる可能性は低いと考えていいのか?」
「いや、違う」
僕は官総理の言葉を否定する。
「迷宮大氾濫においていちばん重要なのは魔物のボスだ。魔物のボスがダンジョン内の魔物を統率してダンジョン外に出てくるから。もうすでに魔物のボスにあっているし、討伐にも失敗しているからね。おそらくここ日本でも迷宮大氾濫は起こるよ。ごめんね、説明不足で……」
「なるほど……何か対策は?」
「ないね。ただ、もうだいぶ魔物は倒したしアメリカのような大規模なものではないと思う。数少ない魔物と魔物のボスがダンジョン外に出てくるだけだと思うから」
まぁ魔物のボスが問題なんだけど。
「一番いいのは関東圏からの全人口の避難。まぁそれは無理そうだし。普通に逃げるための訓練と、備えをしておけばいいんじゃないかな?」
「なるほど……情報感謝する」
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