第59話

 日本国 総理大臣 官義豪

 日本国 副総理 亜生次郎

 日本国 ダンジョン対策大臣 大泉進次郎

 『ブレイバーズ』 ギルドマスター 正行

 『我が嫁のために心臓を捧げよ』 ギルドマスター 山口和也

 『ディールークルム』 ギルドマスター 佐藤凛

 『ワルキューレ』 ギルドマスター 雨宮一華

 『抜刀隊』 代表 八重明日香

         三上桜

 謎のソロプレイヤー 僕!

 

 日本を代表する豪華メンバーが勢ぞろいしていた。

 うーん。それにしても僕に向けられているヘイトの量が尋常じゃない気がする。

 おそらく気の所為ではないだろう……。なんで僕はこんなにも恨まれているのかな?

「なんだい?その男は」

 僕を一番強く睨んでいる『ワルキューレ』のギルドマスターである雨宮さんが僕を指差し、告げる。

 人のことを指さしちゃいけないんだよ?

「君も知っているだろう?それとも君の耳はどうしようもない程遠くなってしまったのかな?」

 それに対し、答えたのは正行。

 勇者らしくない皮肉交じりの言葉で答えた。

「ちっ。知っているさ。あんたより強いんだってね。でも、そんなの信じられるかい?いきなりぽっと現れてあんたを超えるなんて!それにその、抜刀隊なんていうよくわからないのよ!」

「え?私達も?」

「当然じゃない!」

 雨宮さんは席を立ち、怒鳴りながら僕たちに噛み付いてくる。

「なんだい?君はつまり若いものにいきなり負けて嫉妬しているのかい?」

「そんなつもりじゃない!ただ、信用できないだけ」

「信用できない……?それはつまり、僕の観察眼が、僕が彼らの力を見極められていないとでも言うつもりかい?」

「えぇそうゆうことよ!」

「ふざけるな」

 正行は一気に雨宮さんとの距離をつめ、頭蓋骨を手に持ちそのまま壁に叩きつけてみせた。

 うわー、酷い。

「なんだ?お前ごときが僕が間違っているとでも言うつもりか?俺を相手に何も出来ないお前が?冗談にしてはつまらないぞ。俺が間違えるわけ無いだろ?舐めているのか?一度お灸をすえる必要があるか?」

 ……大丈夫?

 めちゃくちゃ怖いよ?

 いつものクールで優しげな勇者としての姿はどこに置いてきてしまったというの?

 なんなら、僕が取りに行ってあげようか?

 それにしても、殺伐としているなぁー。

 一応ここには首相も副総理も大臣もいるんだよ?

 見てよ、あの人達……。

 いや、全然ビビっていなかったわ。

 すげぇどっしりと構えている。

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