第58話
北米大陸に存在する超大国、アメリカ合衆国。
第一次世界大戦、第二次世界大戦共に勝利を捧げ、冷戦終結後は事実上2010年代の中国台頭まで唯一の超大国と君臨していた圧倒的な強国。
そんな超大国の自由の女神が堕ちた。
迷宮大氾濫。
アメリカのグランドキャニオンにある危険度Sランクのダンジョン。
巨邸のダンジョン。
そこで迷宮大氾濫が起きたのだ。
それも僕でさえ知らないくらいの超規模で。
巨邸のダンジョンからこちらへと進行してきた魔物の数は約10万。
別に10万程度であればそんなにも珍しくはない。
異世界で100年に一度くらい起きることの未曾有の大災害程度で済むだろう。
しかし、問題だったのは侵攻してきた魔物たち。
侵攻してきた魔物たち約10万は全て巨人だった。
身長60mを超える巨人たちが超大国アメリカの大地を踏み鳴らした。
更に問題だったのは今回の迷宮大氾濫のボスとも言える巨人。
その大きさは自由の女神を遥かに超える圧巻の大きさ、脅威の身長1000m。
北米大陸を蹂躙し、全てを踏み鳴らした。
アメリカも持ち前の軍事力でなんとかしようとしたが無駄だった。
重火器は残念ながら、魔物には効果がなかったようだ。
なんでかはマジでわからない。
なんでや?
最終手段として核兵器を打ち込んだらしいが、それも無駄に終わったそうだ。
冒険者の質は日本よりもかなり下がる。
日本以下の力しか持たないアメリカが異世界の国々ですら勝つことは厳しいであろう巨人の軍勢に勝てる道理はなかった。
北米に存在する超大国アメリカは魔物たちの軍勢の前に敗北を喫した。
その敗北は、ダンジョン大氾濫は世界に多大な影響を与えた。
ダンジョンを完全に無くそうしたり、暴動が起きたり、アメリカが死んだことによって経済大変なことになったり。
影響としては世界恐慌を遥かに凌駕するだろう。
各国は早急な対策と、国民への説明が求められた。
当然日本も動き出す。
僕は日本政府から会議に来るように要請が来ていた。
これは正行たちにも行っているそうだ。
まぁ対策のためにトップの冒険者を集めて会議するというのは良い判断だろう。
今もテレビで首相である官義豪は報道陣の前で冒険者を集めて会議するという旨の回答をしていた。
いつもこういうのは断っているのだが、流石に今回は要請に応じるのが吉であろう。
緊急事態だろうしね。
……本当に。
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