第57話

 ーわかっているな?同士よ?

 ーぐふぐふ、わかってるコポォー。任せるコポォー。

 俺と同士である『我が嫁にために心臓を捧げよ』に所属するありえねぇ語尾をした冒険者、門松氏とアイコンタクトで心のやり取りを上げる。

 ーギアを上げるぞ?

 ードンと来るコポォー!

 俺と門松氏は肉弾戦だけでなく更に魔法まで使い、ド派手な戦いを演じる。

『おー!』

 ロリっ子たちの純粋無垢な歓声が我々を包み込む。

 ァハハハハハハ( ゚∀゚)八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!!!

 僕は内心高笑いする。

 今、僕はロリっ子たちの前で門松氏と模擬戦をしている。

 全てはド派手なバトルを演じて、ロリっ子たちの歓声を得ようというのだ。

 それ故にスピードは全力で抑えている。ロリっ子たちにもわかりやすいように。

「終わらせるぞ」

「させるものかコポォー!」

「いや、もう終わりだよ」

 僕は門松氏の腕を掴み、投げる。

 そのまま投げられ、態勢を崩した門松氏に関節技をかけ、ガッツリと組む。

「イタタタタ!まいった、まいったコポォー」

「オッケ」

 僕は門松氏を離す。

「いやぁいい勝負だったコポォー。ありがとうコポォー」

「こちらこそありがとう」

 僕と門松氏は熱い握手を交わす。

 それにロリっ子たちが歓声と拍手を送ってくる。

「ふぅー」

 満足。満足。

 僕は満足してこの場を去る。

 そろそろ終わるだろう。

 今、僕が門松氏と熱いバトルをこなしている間に明日香と桜がギルドマスターである山口氏と交渉しているのだ。

 交渉内容は多岐にわたる。

 主な内容がダンジョン攻略の情報交換だったり、利権のことだったり、色々だ。

 そこら辺の面倒事はどっかの人を雇って任せようと思っていたのだが、明日香と桜が率先してくれてやってくれたのだ。

 いやぁ、本当にありがたいことだ。

「良いご身分じゃない。そんなにロリっ子は可愛いのかしら?」

 丁度交渉が終わって、ここに現れた明日香がいの一番に皮肉を込めて僕に告げる。

 ロリっ子が可愛いのか。という質問に対して、答えたのは僕ではなく明日香の隣に立っていた山口氏。

「いいでござるよ!デュフフフ。まずロリっ子というのは……」

 山口氏がオタク特有の饒舌な口調で話し出した。

 あぁ!素晴らしい!

 素晴らしい考えだ!

 僕は彼の思いに感銘を受ける。

「素晴らしい。やはりロリっ子は良い。誰にも汚されていない純粋な白」

「それを妄想上で汚す。その背徳感!あぁ!たまらないでござるよ!」

「大丈夫かしら……この人達」

 明日香が呆れたような声を漏らした。

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