第52話
「私達でダンジョン潜るのは久しぶりね!」
「そうね。零が全然私たちにかまってくれないしね」
「ほんとよね」
「……ごめんね」
チクチク嫌味を言ってくる二人に素直に謝る。
確かに二人に全然構ってあげれらなかった。
……ん?
なんで僕がこの二人に構ってあげないといけないんだ?
まぁいいか。
「それで今日はどこに潜りましょうか?」
「任せるよ。僕はあまり詳しくないからね」
「じゃあ、今日は常沼のダンジョンに行こうかしら」
「いいね!前回のリベンジだよ!」
「え!?前回死にかけたの!?」
「ん?あぁ、そういうわけではないよ。ただちょっと調子に乗って進み過ぎたら敵が急に強くなって、ここで戦ったらちょっとやばいかなって思って帰ってきただけ。死にかけたというわけではないよ」
「あぁ。なるほどね」
……そっか。よかった。
「でも、今日は零がいるから楽勝だよね!」
「あぁ、うん。任せてくれていいよ?」
「じゃあ早速向かおうか」
僕達は近くのダンジョンである常沼のダンジョンに向かった。
ここの近くにあるダンジョンが3つ。
危険度Sランク 常沼のダンジョン
危険度Cランク 深森のダンジョン
危険度Eランク 洞穴のダンジョン。
この3つが僕達が住んでいる近くにあるダンジョンだ。
危険度は攻略難易度だ。
中に出てくる魔物の強さや、ダンジョンの深さ広さ、ダンジョン内の環境などによって総合的に決められる。
危険度は下から、E→D→C→B→A→Sとなっている。
なんでAの上がSなんだ?E、D、Cと続いてきたのなら、Aが最高で、Sはどこから出てきたんだと思った人がいるかも知れないが、この危険度を制定したのはオタクたちである。
Aランクの上にSランクがあるのは当然なのだ。理由などわからない。それが常識なのだ。
ちなみにだが、危険度Eランクのダンジョンはすでにいくつも開放されているので、割と危険度Eランクのダンジョンの数は少なくて初心者の教育場所として重要なのだ。
あ、ダンジョンはダンジョンの一番奥にダンジョンマスターを倒すと、ダンジョンが崩壊し、なくなり、開放されるのだ。
「よし!ダンジョンに入るよ!ほら、手」
明日香が僕に向かって手を差し出す。
「ん?」
「ほら、手を繋いで」
「え?なんで?」
「いいから!私達はダンジョンに入る時は必ず手をつなぐんだよ!」
確かにすでに明日香と桜は手を繋いていた。
「あぁ、うん。わかった」
僕は大人しく明日香の手をとった。
僕達は手を握ったままダンジョンの中に入った。
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