ゴルゴ13の思い出
暮伊豆
第1話
巨星墜つ。
9月24日午前10時42分……
ゴルゴ13の作者、さいとうたかを氏が亡くなった……膵臓ガンで、享年84歳だそうだ。
つい先日ゴルゴ13の202巻『アデン湾の餓鬼』を買ったばかりだったのに……
ゴルゴはこのまま継続するそうだが、他の作品の今後だって気になる。
鬼平は?
梅安は? 剣客商売は?
既に手を離れているのかな。
雲盗り暫平は? 怪盗シュガーは?
とっくに連載終了してるよなぁ……
サバイバルは? ブレイクダウンは?
サバイバル2000とかあったなぁ……
劇画座招待席もよかったなぁ……
『霧の夜は走るな』とかさ。
あと影狩りを忘れちゃあいけないよなぁ。
一見、 『三匹が斬る』みたいな漫画だけど実際は全然違うもんなぁ……怨み葵とかさ。
用無し犬こと無用ノ介もかっこいいよなぁ……
太平記なんかも描いてるし。水滸伝は読んでないんだよなぁ……
ホテル探偵ドールがゴルゴ13に出てきた時もよかったなぁ。アニメではドールの声は高山みなみ氏だったし。ゴルゴの声は舘ひろし氏だし、似合いすぎる。作中で映画監督が『スターの声だ』と評すのに寸分の不足もない!
そんなドール。以前なろうの仲間内で『ヒロインランキング杯』なんてやった時にはゴルゴ13から『エバ・クルーグマン』か『ホテル探偵ドール』か、どちらを選ぶか迷ったものです……
ちなみにエバを選びました……
死に際が美しくも悲しかったから……
今回初めて知ったことは『セツコ・山田』氏がさいとうたかを氏の奥さんだったこと。地味に驚きました。夫婦で漫画家とは……
いや、逆かな。漫画家を志し、共感するものがあったから夫婦になったのかな?
それはそれとしてゴルゴ13ですよ。
描きも描きたり202巻!
ギネスですよギネス!
すごい!
1巻のビッグセイフ作戦から始まり52年!
半世紀も描き続けて!
色んなゴルゴがいたものです。
白ブリーフ一丁で窓辺で外を見ながら葉巻を一服。そんなゴルゴを後ろから驚かそうとする女を殴り飛ばしたり。
『俺が頭を下げたからってチビが直るってもんでもないんだぜ』軽口を叩いてみたり。
はにかむ笑顔でフィリピンの様々な記念日を答えるゴルゴ。
子供に「おじさんはそんなに強いのになぜ僕なんかにびっくりしたの?」と聞かれて「それは、俺が兎のように臆病だからだ」と本音を話すゴルゴ。
思い出は尽きません。
噂によると、ゴルゴの仕事方法は10パターンしかないそうです。そのうち9パターンを使い仕事を遂行しているとか。
最後の10パターン目、これはさいとう先生とチーフ格しか知らないとか……事務所の金庫に固く封印されているとか……
ゴルゴ13の最終回も同様だと聞いた覚えがあります。
我々ファンにとってありがたい……と言っていいのかどうか分からないことに、作者がこうして亡くなっても……作品は終わらないということがある。商業的な意義もあるのだろうが、後継者がいるということは非常にありがたい。いや、正確に言えば自分がいなくても製作ができるように体制を整えたさいとう先生の功績だろうか。
ゴルゴのルーツもまだ解明されてないし、今後のゴルゴだって気になる。いつか最終回が来るのは当然だとしても、それを見たくない私がいる。見たい私もいるが……
ゴルゴ13とルパン三世。
どちらも小学生の頃から見続けているだけに『そこにない』ことが想像できない。
ゴルゴ……いつまでも走り続けてくれ……
さいとう先生……永のお務めご苦労様でございました……ご冥福をお祈りします。
あちらでもきっとまた執筆を……
ゴルゴ13の思い出 暮伊豆 @die-in-craze
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