第8話 上級生
廊下にはホウキと塵取りが
掃除を頑張っている。
円盤のロボットも掃除をしている。
なんだかおもしろい組み合わせだ。
リベラと次の授業のために
渡り廊下を歩いていると
「よぉ!
お前ごときが学年のトップだなんて
今年のレベルは低すぎるな」
声のほうを振り返ると
そこにはリベラとそっくりな
男の子がいた。
その後ろにはいかにも
不良みたいな生徒が何人かいた。
「レオ、いこう
あいつには関わらないほうがいい。」
「リベラの兄ちゃん?」
「お友達かい?
その通りさ!
ケイルって名だ!」
「あいつは魔法を暴力の道具としか思っていない」
「お兄様と呼べっていつも言ってきただろ?
”センオーバニシュ”」
急にリベラがその場に倒れこんだ。
「おい、リベラ、大丈夫か?」
「ケイル~
弟をあんまりいじめたんなよ~」
「おい!
リベラに何をした?」
せっかくできた友達が
やられているのを見過ごせなかった俺は
リベラの兄、ケイルには立ち向かった。
「おいおい、新入生
口の利き方には気をつけろよ
”センオーバニッシュ”」
「”センオーバニッシュ”」
俺もケイルの呪文を唱えた。
魔法同士がぶつかり合い、力が相殺される。
「あいつ、いま、・・・
ケイルの魔法と同じやつを使わなかったか」
「レオ・・・君は一体・・・」
「小僧・・・なぜお前がこの魔法を使える?
世の中に出回ってない魔法だが?」
「そんなの関係ねえよ!
気づいたら体が勝手に動いてた!
それより、リベラに謝れ!」
「おい!
お前ら、いったい何をしている?」
「スグルが来たぞ!
逃げろ!」
「”ラン”」
「リベラ!大丈夫か?
”リタン”」
リベラはその場にゆっくりと立ち上がった。
「はい!昔から兄とは
気が合わなくて・・・」
「ったく、ケイルのやつ・・・あの頭脳を
他のことに生かすべきだと言っているのだが・・・」
「先生、そんなにリベラに兄ちゃんって強いのか・・・」
「まあ、俺のほうが強いから安心しろ!
リベラ!医務室に行くぞ!医療魔法は専門家でないと
扱えないからな!」
『レオと魔法』 著:成原良樹 大人気ファンタジーWeb小説 成原良樹 @detectived4869
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