第6話 クラス分け

「入学おめでとう!」


見知らぬお兄さんから声を掛けられる。





何が何だかわからない。





「何が何だかわからないって顔だね!


あ、俺の名前はスグルだ!


スグル先生って読んでね!」


テンションが異様に高かった。





「ほかの皆は?」





「魔法の館・・・いわゆる


広い体育館みたいなところに集合してるよ!


あと10分くらいで校長先生の話があるからね。


歩きながら話そう!」


スグル先生が俺を魔法の館に案内してくれる。


先ほどの部屋は保健室だったらしい。





「うわぁ~すぅげ~」





廊下に出るとそこには・・・


浮きながら会話をする者や、


一瞬で消える者、


絵画が動いたり、


シャンデリアが浮いている。


あらためて魔法を目の当たりにした俺は


感動していた。


「それにしても、魔法を1回も使わずに


魔専に来るとはね~。


誰もが魔法を使うことを想定した


テストだったのにね~」





「たしかに・・・」





そういえば俺は


魔法を1度も使っていない。





「レオ君がどんな魔法を使うのか


楽しみにしてるよ!


さぁ、魔法の館についたよ!


テキトーに立ってればいい!」





「ありがとう!スグル先生!」





魔法の館にはたくさんの人が集まっており


かなり騒がしい。


上級生も集まっているのだろう。





「レオ~!」


スライに呼ばれた。





「俺が1番最後だったみたい・・・」





「とにかく合格できてよかったわ!」


「あとちょっと起きるのが遅かったらやばかったね。」


エリアとマロンが声をかけてくれた。





ざわついている中、1人の女性が壇上に現れた。


ざわついた体育館は一瞬にして静かになる。


すこし肌寒くなるこの感じ・・・


黒髪のショートヘアの女性教員


ユキノ先生だ。


「新入生の皆さん!昨日ぶりですね!


入学おめでとうございます。このあと、


校長のありがたいお話がありますので


しっかりとお聞きください!


それでは、校長挨拶!」





老紳士がゆっくりと浮遊しつつ登場した。





「おほんっ


みな、はじめましてかの?


入学おめでとう。


校長のズーマじゃ。」





紅のローブに身を包んだその老人は


夢で出会った老紳士だった。





「魔法にはまだまだ無限の可能性が


秘められておる。


ブランチで精一杯学び、


仲間と互いに高めあい、


魔法のライセンス取得を目指すといいじゃろう。


そのためには、魔法の基礎を身に着け、


部活動も推奨しておるから・・・


存分に魔法学校生活を充実させるのじゃ。」





「それでは、実力テストに基づいて


クラス分けをする。」





校長先生が手をたたくと


新入生が5つのグループに一瞬で分かれた。





「個人にはそれぞれ5つのタイプを持つ。


①自然魔法 クラス名:ネイチャ


②格闘魔法 クラス名:ファイツ


③状態魔法 クラス名:スティタス


④召喚魔法 クラス名:サモーン


⑤混沌魔法 クラス名:カーオス


特に、5番目の混沌魔法は


他に分類できない特性を持つ


魔法のことじゃな。」





俺は今の段階で


どこのクラスか分からなかったが


近くにスグル先生がいた。





おそらく、格闘魔法の強い


スライはファイツだろう。





「勘違いせんでほしいのは


クラスで分けられた得意な


魔法しか学ばないのではなく、


それ以外の魔法に触れることじゃ。」





「まあ、詳しいことは、


担任から教えてもらうように!」





「というわけで、俺が担任のクラスはカーオスだ。」





俺のクラスはカーオスだった。

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