第十五話

 まぶしさと頭痛で目が覚めた。

 すでに太陽は空高く登っていて、久しぶりにしっかり太陽を見てしまったので、明るさで目が焼けそうになる。

 周りを見渡して、一瞬ここはどこなのか分からなかったが、すぐに寂れた団地のマンションの屋上だと気がつく。近くに僕が飲み干したウイスキーのボトルが転がっていた。

 ゆっくりと身体を起こして、大きく背伸びをする。

 目の前にもやがいた。僕を見て、ニッコリと笑っている。

「残念だったな。俺は、お前が生き続ける限り、お前の側にいる」

 もやが、満面の笑みでそう言った。

「そうだろうと思ったよ」

 僕も笑顔で返した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る