第2話 クラスコンパイル
「Hello, World」
何だ!?
確かに彼女はそう言った。
何か聞いたことがある。
どういう意味だったっけ?
◇
1限目はプログラミングの授業。
教室からパソコン演習質へ向かう。
一人一人、パソコンの前に座る。
東都科学高校は名前に科学という文字が付いているだけあって、技術系の授業が多い。
僕が属している情報科は、プログラミングやAIの授業が多い。
普通科の高校と違うのは、普通の授業が少ないということだ。
「今日は、JAVAで文字を表示するプログラムを演習する」
先生からプリントが配られる。
そこにはサンプルプログラムが書かれていた。
class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, world.");
}
}
こんなの簡単だ。
メモ帳を起動し、上記のプログラムを打つ込む。
とりあえずのファイル名『test.java』という名前で保存する。
次にコマンドプロンプトを起動した。
javac test.java
と打ち込んで、test.javaをコンパイルする。
test.classファイルが出来た。
「へぇ」
僕の隣でジャヴァが驚いている。
パソコン演習室でも、教室と同じ席順なのだ。
「こんなの簡単だよ」
僕は手こずっている皆をしり目に、どんどん演習を進めて行った。
僕にとってここの授業は簡単過ぎた。
子供の頃から親の影響でコンピュータに親しんで来た僕には。
「実行してみるよ」
javac test
コンマ何秒かの世界で結果が返ってくる。
Hello, world.
「あ! Hello, world……」
僕は思わず、声を上げていた。
そして、ジャヴァの顔を見る。
「歴田君、やっと私の挨拶に応えてくれたね」
つづく
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