美少女プログラミング

うんこ

第1話 Hello World

 JAVA、FORTRAN、COBOL、VBA……この世界には沢山のプログラミング言語がある。

 それぞれには用途があり、得意不得意がある。

 JAVAはオブジェクト指向言語であり、FORTRANは科学技術計算に向いている。

 COBOLは遥か昔から存在する事務系のプログラミング言語だ。

 VBAはEXCELに付属する手軽に使えるマクロ言語だ。



「転校生を紹介する」


 東都科学高校に美少女が転校して来た。


「兵田ジャヴァです」


 先生に紹介されたジャヴァは凛とした声でそう言った。

 教室がその長い黒髪と、白い肌に、シンとなった。

 大きな黒い瞳にはクラス全員(30人)の驚いた顔が映り込んでいる。

 この小説の男の方の主人公、歴野雄一郎(同校一年生)は、ジャヴァを見て何て可愛いい少女何だと思った。


「ジャヴァさんは、お父さんの会社の都合でアメリカのカリフォルニアから来た。皆、よろしく頼むぞ」


 すげぃや!

 帰国子女だ。

 ……ってカリフォルニアってどこだ?

 しかも、名前がジャヴァってハーフか何かか?

 雄一郎はジャヴァが眩しかった。

 自分が憧れている物を沢山持っていそうだ……という点で。


「正確には、アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部にあるシリコンバレー出身です。英語の方が得意ですが、日本語も話せます。よろしくお願いします」


 おおっ!

 正確な情報ありがとう。

 よどみのない情報提供はコンピュータの様だ。

 しかも日本語何て、僕より上手いかもしれない!

 雄一郎は驚いて椅子から転げそうになった。


「兵田さんは、そうだな……歴田の横が空いている。おい、歴田、よろしく頼むぞ」


 え!?

 僕の隣!


「いいなあ」

「ちくしょう」


 周りにいる男子の妬み声が聴こえて来る。

 うるせーな。

 僕の普段の行いがいいからだよ。


「おおっ……」


 雄一郎は感嘆と共にため息をついた。

 身長160cmくらいの彼女はスラリとしている。

 膝上丈の短いスカートから出た白くて細くて、太陽光を浴びてツヤツヤに光ったきめ細かい肌の足。

 その日本の足が交互にクロスする。

 美少女が背中まである黒髪を揺らしながら、雄一郎の元に近づいて来る。

 そして、彼の隣の席に着いた。

 そして、こう言った。


「Hello, World」


つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る