開幕『遥か頂の舞踏会』①
人形劇の世界で、わたしは嫌われていた。
「気持ちの悪い
でも、ある日。世界が消えてしまったあの日から、わたしは彼女と出会った。彼女は気品があって、言いたいことを遠慮なく言えて。女の子だけど――王子様みたい。
『……ナ、ルナ!もう、いきなり寝てしまうなんて、レディとしてどうかと思いますわ。』
『うん……?あ、ごめんカティア。窓辺のお日様が暖かくてつい。』
この子が「カティア・マーチェント」。わたしのパートナーで、有名な
『大丈夫よ。……気持ちは分からないわけじゃないもの。』
『ふふっ。カティアも、勉強の息抜きをした方が良いと思うけどね。』
そして、わたし「ルナ」は、人形の街の姫だった。
『「今度のテストで満点を取りなさい、出来なければ80点以上」って言われてるもの。努力は惜しまないわ。』
さて、わたしたちの通う「シトラ
それくらい
『ほら、もう昼休みが終わるわよ。忘れ物はない?』
カティアの質問に、辺りを見渡して頷く。こんな日常が、ずっと続いていけばいいのに。
――その夜、不思議な夢を見た。霧の中のように視界が悪く、隣にはカティアが立っていた。
『ルナ、なんなのこれは……』
『分からない……どこなんだろ。』
―あなた方が、願いを共にする二人なのですか?―
頭に響く謎の声は、わたしに問いかける。
『願い……どういうこと?』
謎の声は再び語りかける。
―あなたたちは「自由」を願っている。そうでしょう?―
『自由……そうね。
カティアが返事をすると、目の前に人型の影が現れる。それはわたしよりも大きく、そしてどことなく神秘的であった。
―願いを叶えたいなら剣を取って。戦うことで、それは叶う。―
……怪しい提案だった。しかし、カティアは至って冷静だった。
『なるほど。あなたが「女神さま」だったのね。』
女神……噂でしか聞いたことがなかった。ステラナイトを導き、戦いの対価として願いを叶える。こんなおとぎ話のような話、信じてはいなかったけれど。
『ねえルナ。あなたは自由になりたい?』
『……えっと。』
返答に
でも、この見た目である以上、自由とは言い切れない。友人もカティア以外にいない。……出来る事なら、自由に過ごしていたい。
『……うん。わたしもカティアと一緒。自由に羽ばたいていきたい。』
『決まりね。』
―剣を取れ、星の騎士よ。望む未来をつかみ取りなさい。―
光に包まれ、気がつけば朝になっていた。
わたしはカティアに話しかける。
『……なったんだね。星の騎士に。』
『ええ。願いを叶える――自由をつかみ取りましょう!』
その言葉で、不安や悩みが和らぐのを感じる。
カティアと一緒なら、大丈夫。きっと大丈夫なんだ。
Stellar Knight Theater -英雄のエスポワール- 狐面 シノ @chibifox505
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