第6話 緊急事態!怪物発生!
調査隊から連絡が途絶え、捜索隊が富士の樹海に到着した。
「まずは、隕石の落下ポイントまで進むぞ」
捜索隊のリーダーが隊員に指示を出す。調査隊からの連絡は、隕石落下ポイントに到着したところで途絶えていたため、まずは、落下ポイントまで進む事にした。
捜索隊が落下ポイントに到着すると、調査隊の残した資材だけが残っており、人の気配を全く感じない。
「よし、二人一組になって散開。周辺を捜索しろ。何かあったらすぐに連絡をするんだ!」
調査隊の捜索を開始する。1時間ほど捜索するが、一人も見つからない。捜索隊員が、巨大な窪みの周りに機材が散乱しているのを見つける。
捜索隊員が全員その場に集まり、周囲をくまなく捜索しようとした時、それは現れた。
「傷を癒すための餌がやって来たわ」
捜索隊一同はその姿を見た瞬間、恐怖のあまり声を出すことも出来ず、ただ、立ち尽くしていた。
次の瞬間、それが動いたと思うと、捜索隊員は全滅してしまった。
「少しは傷も癒えたか。さて、前に手に入れた力を使ってみるとするか」
そう呟くと、その体から霧のようなものが拡がる。だが、霧と違うのはそれと同じ、黒い色をしていた。
「行け!我が分身達よ。生ある者を我が力とするために!」
黒い霧は、空高く舞い広がっていった。
隕石落下から、3週間が過ぎた。人々は住む場所は、地震の影響もあり、仮設住宅や車での生活だったが、ライフラインはある程度回復し、少しずつ落ち着きを取り戻しつつあった。
ある日、一人の男性がゴミを片付けていると、見たことがない動物が近付いて来るのに気が付いた。
「何だ?あれは?犬にしては大きいな。」
不思議に思いながら、片付けを続けていると、その動物が男に向かって走り出した。
男は、近付いて来る動物を見て驚愕する。その姿は、禍々しく、口の中には巨大な牙が見える。ゲームに出てくるような怪物の姿だった。
「うわぁっ!化け物だぁっ!」
男は逃げ出しながら、急いで警察に電話する。
「化け物が現れた!襲われている。早く助けてくれ!」
男は必死に逃げるが、怪物の方が速い。あっと言う間に追い付かれる。鋭い爪で足を斬られた。
「ひぃっ、誰か助けてくれぇ!」
大声で叫ぶが、誰も助けに来ず、大きな口を開いた怪物に男は食べてられてしまった。
男の通報を受けた警察が現場に到着した時には、悲惨な状況だった。残った遺体には、大きな獣に食べられた跡。警察は、周辺に聴き込みを行った。そして、一軒の家を尋ねた時、その怪物の写真を見る。
「男の人の悲鳴が聞こえて、外を見たらこの怪物が襲いかかっていたんです。怖くて助けに行けませんでした」
警察は、その写真をもらうと怪物の捜索を行ったが、見つけることは出来なかった。
次の日のニュースで日本中が震撼する。
「全国各地で怪物が目撃されています。この怪物の被害と思われる遺体も43件あり、外出する際は十分に気を付けてください。」
「警察はこの怪物に対し、対策本部を設立しました。今後の情報が入りましたらお伝えします」
このニュースを聞いた賢也は、呟いた。
「まるでVRMMOの世界に入ったみたいだな。でも、現実だ。ゲームの中とは違う。気を付けないとな…」
だが、これはまだ始まりに過ぎなかった…
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