第3話 隕石落下!地震発生

 (あそこは命が溢れているのを感じる。次はあそこにするか)


それは、そう思うと進路を変更し、地球に向かって進むのだった。

 

 賢也は仕事をしながら、ふと時計を見ると15時前だった。


 (もうすぐ隕石が再接近する時間じゃないか)


 そう思うと、仕事中だったが、携帯を見てみる。最新ニュースは特に変わっていない。斎藤が賢也の元にやって来た。


「隕石が再接近するな。結局何もなかったか」

「だから、言っただろ。お前心配し過ぎなんだって」


 二人で話していると、構内放送の合図が鳴る。


「何だ?」


 賢也がそう言うと、放送が続く。


「緊急連絡です!地球に接近中の隕石が突然方向を変え、地球に衝突するニュースが入りました。衝突の際は地震が起きると推測されるため、地震に備え避難願います。繰り返します…」

「マジかよ!」

「衝突って」


 全員が動揺し、慌てる。


「とにかく避難だ。避難訓練の通りグランドに出よう。」


 全員がグランドに避難し、ざわついていた。


「本当に落ちるのか?」


 皆、疑問に思いそれぞれ携帯で隕石落下の最新情報を確認していた。


「えっ!」「嘘だろ!」


 皆が口に出して叫ぶ。最新ニュースには、隕石落下が日本に落ちる予想になっていた。ニュースでは専門家が、興奮気味に口論していた。


「隕石が突然軌道を変えるなんてあるわけが無い。どこかの国が日本に落ちるように軌道を変えたとしか思えません」

「軌道を変える程の爆発も観測されていないんだ。憶測で勝手なこと言うな!」

 (馬鹿な口論はどうでもいいんだよ!)


 心の中で、専門家達を罵倒する。


「賢也先輩、どうなるんですかね?」


 心配そうに優は賢也に尋ねた。


「さぁ、本当にどうなるんだろう?」


 優の質問に答える賢也の声には不安の色を隠せなかった。


「俺が言った通りじゃないか。」


 斎藤が誇らしげに賢也達に話しかけてきた。


「いや、そうかもしれないが、威張って言うことか?」


 誇らしげに話す斎藤に問いかける。


「俺はこういう事があっても大丈夫なように非常食とか買いだめてるからな。大きな地震があっても大丈夫だ。」

 (こんな時に得意気に話すなぁ、こいつ)

「それは凄いな。で、その非常食は何処にあるんだ?」


 賢也はまた得意気に話してきそうだったが、渋々聞き返す。


「もちろん、家に決まってるじゃないか」

「うん?家って、地震で帰れなくなったら意味ないんじゃないか?俺はてっきり車の中にでも入れてて、みんなに見せびらかすものかと思ってたよ」

「家になら私も非常食保管していますよ。」


 優もさりげなく得意気に話す斎藤に言い返す。


「しまったぁ。家に帰れなかったら意味がない…。3ヶ月は生き抜ける量買い込んだのに。」


 斎藤ががっかりしたその時、激しく地面が揺れた。


「うわぁ!」「いやぁ!」「きゃあっ!」


 立っていることもままならず、ほとんどの人間が悲鳴を上げる。10分程激しく揺れは続いた。揺れが収まると携帯でニュースを確認する。しかし、地震の影響でネットが混雑しているのか、全く繋がらず最新情報を確認することが出来なかった。


(やっぱり混雑してるか。これは電話も繋がらないだろうな。)


 そして、会社のグランドに避難した従業員の安全確認の点呼が始まり、避難者全員の無事が確認されたのだった。

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