カノジョハダァレ?
朝方、まだ日が上る前でございました。
急に厠へ行きたくなり目が覚めたのですが、居間の方から
「お母さん」
と若い女性の声で呼ばれたのです。咄嗟に
「はい」
と返事をしてしまいました。
呼ばれた方を見ると、肩まで短くした髪の女の子がいたのです。
ただ、玄関の扉には鍵がかかっていましたし、末の孫娘は家を出て一人暮らしをしていますから、いないはずなのです。
不思議に思いもう一度居間の方を見ると、そこには誰もおりませんでした。
末の孫娘と背格好の似た女の子が確かにいたはずなのに。
虫の知らせなのでしょうか?妙な不安感がありました。
孫娘達は私を「お母さん」と呼びません。娘も息子も私を「ばあちゃん」と呼びます。もしかしたら、娘を呼んだのかもしれません。
この事は、二番目の孫娘に話しました。
その後、私は体調を崩して暫く起きられませんでした。
扉はあの世とこの世の境界線と言いますが、あの時返事をしなければ良かったのかもしれません。
本当に、誰だったのでしょうね。
居間の入り口に立っていた女の子は。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます