② 出来る爺の独り言
それは、お嬢様が高熱で何日も
「お嬢様。何か、お
「あのね・・・・・・ポテサじゃなかった。ポテトサラダが食べたいの」
「
病み上がりのお嬢様のご要望にお応えして、ポテトサラダをお出ししたのですが――出されたポテトサラダを見て、見るからにガッカリするお嬢様。あぁ、先程も小声で『ポテサラ』と言いかけていらっしゃいましたしね。
しかし、お嬢様には感謝ですね。ポテトサラダのために、お料理を早くからやりたいとお願いされて始められました。勿論、全力で協力いたしましたよ。何せ私も日本で食べたポテトサラダ食べたかったんですが、料理はからきし
初めてお嬢様が
それからというもの、お嬢様は料理する条件として出されたお勉強の合間を
「あ! アルマン!」
振り返ると、声とともにポスッと飛び込んでこられたお嬢様。おやおや、お勉強の成果はどちらへ?
「お嬢様、
「は! そうだった!! ヤンから
そういえばヤンがそんなことを言ってましたね、お嬢様が探していたものが見つかったと。成程、白玉粉でしたか・・・・・・満月も近いですし、お月見でもしたいのでしょうか? それならば、喜んで協力せねばなりませんね?
「奥様から注意するよう
「うん! 次から気を付けるね! いつも教えてくれてありがとう、アルマン」
「いえ、
「そうそう! 甘い物好き?
「甘い物も好きですが、お嬢様が作るものは何でも好きですよ? それに、寒い夜に温かくて甘~い物とは――なんだか美味しそうな響きですね」
「ホント!? じゃあ、アルマンにも作るから、明日楽しみにしててね!」
「ええ、勿論です。ありがとうございます」
「お勉強行ってくるね!」とジゼルとニナを連れて、公爵邸の図書室の方へ足を向けるお嬢様。時折何かを気にされてはいますが、そんな中でもゆっくりとではあるにせよ殿下に
あ、私の同僚に聞いてみるのもいいかもしれませんね。私よりお嬢様に近いですし。同僚も転生者なのですが・・・・・・どなたでしょうね? これも、殿下方にも内緒の話です。
チリン・・・・・・。
おや、奥様がお呼びですね。私とした事が、長く話しすぎました。もう少しお話ししたいところですが、またの機会にでもいたしましょう。あ、くれぐれも『転生者』や『前世』のお話は、内密にお願いしますよ? おバカな
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