秘孔魔法で最強の魔法使いに～転生して魔法を覚えたのなら、普通エロに使うでしょ。俺のエロへの渇望は、最下級魔法３つで最強暗殺魔法を編み出してしまったようだ～

第１３話 倍増拳

　週末が来た。

　アイナとモーラを連れて転移でルドウィンまで飛ぶ。

　まずは邸宅で魔力の補給だ。

　流魔呼吸法で夕飯までに２００年分ぐらいの魔力を稼いだ。

　次の日、計画通りオーク退治に出かけた。

　今回はスライムの襲撃とかなかったので、ちょっとがっかり。

　お目当てのオークはすぐに見つかった。

　目を血走らせてふごふごと荒い鼻息で寄って来る。

　２メートルを超える筋肉隆々の巨体で、手にはこん棒も持っている。

　腰みのをつけて股間にはテントが。

　嫌なもんみせるんじゃねぇ。

「秘孔魔法・死弾」

　吹き矢の矢を飛ばす技を秘孔魔法・死弾という名前にした。

　秘孔をつんつんしてないけどな。

　まあ良いだろう。

　毒を塗られた吹き矢の矢がオークに突き刺さった。

　オークは死に、そして次々にやって来る。

　あー、女の匂いに釣られているのか。

　前のゴブリンもそうだったのかもな。

　まあ、数がいても大した事がない。

「秘孔魔法・死弾、乱れ打ち」

　ふっ、訳ないぜ。

　そう思っていたら、ひと際大きなオークがやってきた。

「気を付けて、オークジェネラルよ」

「おう、了解。秘孔魔法・死弾」

　矢は刺さったが、オークは倒れない。

　こいつ、毒に強いのか。

　ならば、秘孔魔法・金縛り拳。

「ぷぎゃあ」

　奇妙な雄叫びを上げるとオークは金縛りを振り払った。

「どいて、氷の槌（アイスハンマー）」

　いつもより氷の槌がだいぶ大きい。

　４メートルはあるだろうか。

　最大出力という訳だな。

　アイナの魔法が炸裂。

　氷の槌でミンチにならなかった。

　逆に氷の槌が粉々になる。

「行きます、風の刃（エアカッター）」

　モーラの放った風の刃は、僅かな筋を付けるに留まった。

「ぷぎーーー！！」

　オークは大音量で叫ぶ。

　うっ、体が動かん。

　麻痺の叫びか。

　これは魔力を使って実現しているらしい。

　魔力感知にはその魔法みたいな物がはっきりと分かった。

　だが、秘孔魔法に隙はない。

　秘孔魔法・解除拳。

　麻痺が解けた。

　オークはアイナの服に手をかけて引き裂いた。

　おー、今しばらく攻撃しないでおこう。

　そして、オークはモーラの服も引き裂いた。

　メロンとパパイヤさん、こんにちは

　なむなむ。

　今日もプルンとして新鮮そうで結構な事ですな。

　思うがままに揉みしだき、しゃぶりつきたい。

　俺が麻痺しているという設定が憎い。

　オークが腰みのを外そうとする。

　ここまでだな。

「秘孔魔法・死弾、乱れ打ち」

「ぷぎっ」

　オークがよろけた。

　毒の効果が少し出たらしい。

　秘孔魔法・解除拳。

　アイナとモーラの金縛りを解いてやる。

　逃げる選択肢もあるが、新しい技を考え付いた。

「ギルティ」

「ちょっと待て、怒りはオークにぶつけろよ」

「分かった、オークをミンチにしたら次はヒロの番よ。氷の槌（アイスハンマー）」

「秘孔魔法・倍増拳」

　自然の魔力の秘孔を刺激。

　アイスハンマーに入っていくように仕向けた。

　そしてアイスハンマーの威力が上がるように魔法の秘孔を刺激。

　アイスハンマーは何倍にも膨れ上がった。

　２０メートルの巨大アイスハンマーがオークに向かう。

　オークは棍棒で迎え撃った。

　激突、棍棒は砕け散りオークはミンチに。

「もっと早く助けられたわよね」

「アイナさん、先に服を」

　アイナとモーラは素早く服を身に着けた。

「じゃ、服も着たし、オークを収納して帰ろうか」

「なに、誤魔化そうとしているのよ」

「な、なんの事かな」

「ここは私に譲って下さいまし」

「ちょっと、風の刃を撃たれたら洒落にならないって」

「大丈夫です。風の鞭（エアウィップ）」

「大丈夫じゃないからぁ。知ってるか。鞭って音速を越えるんだぜ。うぎゃあ」

「快感。アイナさんの気持ちが少し分かりました。癖になりそうですわ」

　我が魔法人生に１マナの悔いなし。

　酷い目にあった。

「わたくし、何度もヒロに裸を見られてしまいましたわ。もう、お嫁にいけません」

「じゃあ、俺が責任もってもらってやるよ」

「駄目よ。私だって婚約者なんだから」

「あれは嘘の婚約なんだろ」

「何でって、何を言わせる気なのよ。氷の槌（アイスハンマー）」

「横暴だ。うぎゃあ」

　全く些細な事で暴力振るうなよな。

　モーラに言ったのは冗談だ。

　社交辞令という奴だ。

　本気にするなよ。

　さあ、帰って鑑定しないと。

　邸宅に帰り鑑定石に触る。

　魔力、３２７年。階級Ｆ。余白１。

　覚えている魔法がそよ風（ブリーズ）、呪いの藁人形（カースドストロードール）、魔力感知（マナセンサー）、調合（ミックス）。

　おっ、余白が増えた。

　だが、人除けは４の余白がいる。

　まだ、精進しないと。