第7話 流魔呼吸法
俺は実技でトップになったが、相変わらずゴキブリローパーと呼ばれている。
女生徒の胸をつんつんしてアイナに魔法で殴られる日々を送っていた。
モーラさんから呼び出しを受けた。
行くとアイナもその場所にいる。
何だかアイナが不機嫌だ。
挨拶代わりの魔法でタッチ。
「
「アイナさん、話が進まなくなるので堪えて下さいませ」
「仕方ないわね」
「話ってなんだ」
「ヒロさんに嘘の婚約者になって、領地まで付き合って頂きたいのですわ」
領地ってことはモーラさんは貴族なんだな。
「うーん、モーラさんが触らせてくれるのならこの話を受けるよ」
「なんて事をいうのよ。ヒロ、謝りなさい」
「アイナは関係ないだろ」
「私も嘘の婚約者になって同行するのよ」
「アイナも触らせてくれるのか」
「駄目よ」
「アイナさん、話が進みません。お金なら些少ですが、お支払いできます」
「金かぁ。その金でいっちょ娼婦でも買ってみるか」
「好きになさいませ」
「駄目よ。絶対だめだかんね」
「うん、しないよ。約束する」
俺は諦めたふりをした。
「そうだ。余白を増やしたいんだが、モンスターを倒してみたい」
「それなら、良い物があります。ソウル・ポーションという物をご存じでしょうか」
「どういう物なんだ」
「とても高価ですが、使用すると余白を生み出せます」
「いいね。欲しくなった」
「では依頼の報酬はそれと言う事で如何でしょうか」
「うん、いいね。決まりだ」
そう言えばポーションの本は読んだ事がないな。
図書室でポーションの本を読む。
ポーションの一般的な材料は薬草、鉱物、モンスターの素材、魔石だな。
まあ何でもありみたいな物か。
ソウル・ポーションについて読んでみた。
魂を削って作るらしい。
その材料の一部は死刑囚の魂と書いてあった。
物騒だな。
これを使って大丈夫なんだろうか。
その他のポーションの事も記されている。
怪我や病気を治すポーションは多種多様で、これは読み飛ばしても良いだろう。
特殊なのはEXP・ポーションだ。
EXP・ポーションは魔法使いの階級を上げるのに使われる。
材料の一部は人の階級だ。
一般的なのは階級を下げて作るのではなく、階級の端数的部分で作るらしい。
もう階級が上がる見込みがない人が作る。
例外としては、死にそうな師匠とかが弟子に贈るらしい。
一般人の親から子に受け継いだりはしない。
なぜかというと作るのが大変なのだ。
階級以外の材料がバカ高い。
それと、作るには特殊な魔法が必要だ。
俺はある真実に気がついた。
それは、お金さえあれば魔法使いとして大成できるという事だ。
俺のエロ魔法道を極めるのも結局は金か。
簡単に金が稼げないかな。
今のところ一番稼げそうなのは用心棒だろうか。
魔法戦なら勝てる自信がある。
でも効率が悪そうだ。
後で何か考えよう。
週末が来て、俺達は転移で出発した。
あっと言う間に着いた。
旅行情緒なんか欠片もない。
「この邸宅は魔脈の上に建ってましてよ。瞑想すると10倍の効果が見込めますわ」
魔力感知すると魔力が渦巻いているのが分かった。
おー、凄い。
ふむ、お触り魔法で何かできないかな。
「夕食の時にお爺様に皆さまを紹介しますわ。それまではくつろいで下さいませ」
部屋に案内され、俺はまず瞑想してみた。
本当だ。
魔力の入り方が違う。
もっと効率が上がらないかな。
お触り魔法を発動。
自然界の魔力のツボをつんつん。
俺の中に入るように仕向けた。
これだけじゃ駄目だ。
呼吸で吸収する魔力の流れをつんつん。
流れを太くした。
これで良い。
名付けて流魔呼吸法。
そして、2時間ほど経った。
呼び鈴を鳴らす。
「何か御用でしょうか」
「鑑定石を借りたい」
「はい、只今お持ちいたします」
鑑定石が持ち込まれ、それに俺は触った。
魔力、126年。階級F。余白0。
覚えている魔法が
魔力が物凄く上がった。
魔力を少しぐらい売ったらどうだろうか。
この邸宅にくれば一日で1000年分ぐらいは簡単に溜まりそうだ。
マナ・ポーションを作るべきだろうな。
幸い、材料は安い。
作り方も簡単だ。
そんな計画を立てていたら、夕食の時間になった。
そう言えば俺は何をしたら良いんだ。
婚約者のふりをする事しか聞いてない。
難しい設定をしてもボロがでる可能性大だと思うが。
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